2020年4月 - 2023年3月
遺伝性がんサーベイランスの利益不利益バランス評価と社会的・財政的負担に関する研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
諸外国の遺伝性がんのマネジメント・プログラムを参照し、政策導入の可能性を検討した。
1)英国NHS:リンチ症候群のマネジメント-NICEガイドラインに基づき、NHSではリンチ症候群の段階的マネジメントを行っている。第1段階から第2段階では大腸がん診断時に生検を行い、検体の遺伝子検査によりリンチ症候群を確定する。第3段階では、大腸がん予防対策としての患者本人への情報提供・支援対策・サーベイランスを行い、第4段階で患者の家族に支援を拡大している。
2)英国NHS:Li-Fraumeni症候群(以下LFS)のマネジメント-英国NHSではBRCA1/2、LFSを含む遺伝性乳がんについては検診の早期開始、頻度の増加、MRIの活用など疾患特異性や発症リスクに応じたプログラムが設定されている。UKCGGでは専門家のコンセンサスにより、多臓器のがんの検出サーベイランスを提案している。ただし、対象患者のリスクを明示し、発見頻度が高いがんにサーベイランスの標的を集約している。
3)米国USPTSF-BRCA1/2リスクの可能性のある患者に対するマネジメントとして、リスクアセスメントを行い、乳がんリスクのある患者にはタモキシフェン等による治療も可能としている。intensive screeningについては精度評価研究が1件のみであることから推奨していない。またBRCA1/2のよる卵巣がんリスクに対する卵巣がん検診や婦人科診察も推奨しなかった。
4)まとめ-遺伝性がんのマネジメント・サーベイランスは専門家が中心となりintensive surveillanceが提案されてきたが、必ずしも国家のプログラムの対象にはなっていない。ただし、有病率が高いことや介入の科学的根拠が明確な者に限定して優先的に予防対策が採用されていた。
1)英国NHS:リンチ症候群のマネジメント-NICEガイドラインに基づき、NHSではリンチ症候群の段階的マネジメントを行っている。第1段階から第2段階では大腸がん診断時に生検を行い、検体の遺伝子検査によりリンチ症候群を確定する。第3段階では、大腸がん予防対策としての患者本人への情報提供・支援対策・サーベイランスを行い、第4段階で患者の家族に支援を拡大している。
2)英国NHS:Li-Fraumeni症候群(以下LFS)のマネジメント-英国NHSではBRCA1/2、LFSを含む遺伝性乳がんについては検診の早期開始、頻度の増加、MRIの活用など疾患特異性や発症リスクに応じたプログラムが設定されている。UKCGGでは専門家のコンセンサスにより、多臓器のがんの検出サーベイランスを提案している。ただし、対象患者のリスクを明示し、発見頻度が高いがんにサーベイランスの標的を集約している。
3)米国USPTSF-BRCA1/2リスクの可能性のある患者に対するマネジメントとして、リスクアセスメントを行い、乳がんリスクのある患者にはタモキシフェン等による治療も可能としている。intensive screeningについては精度評価研究が1件のみであることから推奨していない。またBRCA1/2のよる卵巣がんリスクに対する卵巣がん検診や婦人科診察も推奨しなかった。
4)まとめ-遺伝性がんのマネジメント・サーベイランスは専門家が中心となりintensive surveillanceが提案されてきたが、必ずしも国家のプログラムの対象にはなっていない。ただし、有病率が高いことや介入の科学的根拠が明確な者に限定して優先的に予防対策が採用されていた。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K10331
- 体系的課題番号 : JP20K10331