共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

新作物の受容がもたらした生業と食文化の変化:エチオピア南部におけるライコムギ栽培

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
19J22713
体系的課題番号
JP19J22713
配分額
(総額)
3,100,000円
(直接経費)
3,100,000円
(間接経費)
0円

感染症拡大のためエチオピアで調査をおこなうことが難しくなり、今年度は、これまでに得られたデータを分析し、論文の執筆に取り組んだ。執筆に取り組んでいた2本のうち、1本は学術雑誌に掲載され、もう1本は掲載が決定した。執筆を進めてきた博士学位論文を提出した。
学術雑誌『農耕の技術と文化』に「エンセーテ農業と種子農業の共存する地域の食事文化:エチオピア南西部ガモ高地の主要作物の加工調理と食事行動に着目して」と題した論文が掲載された。ガモ高地でみられる調理法がどのように形成されてきたのかについて、根栽作物エンセーテや、オオムギやコムギ、ライコムギなどの種子作物をつかった多様な調理方法が生み出されてきた条件を考察した。
英文学術雑誌"African Study Monographs"に投稿していた“The role of barley and wheat landraces after introduction of triticale, the Gamo Highlands, in southern Ethiopia”と題する論文が採択され掲載が決定した。本論文の主題は、ライコムギ導入後の在来オオムギとコムギ品種の栽培と利用にある。高い収量性を有するライコムギの導入後も在来品種の栽培が続けられている諸要因を、生業と食文化の分析を通じて明らかにした。
博士学位論文“Changing Foodways in the Ethiopian Highlands: Introduction of the New Crop Triticale to Gamo Zone”では、エチオピア南西部ガモ高地に暮らすドルゼの人びとを対象に、当該地域の食事文化の変容とその特質を、素材としての作物の特徴と、それを利用する人びとの調理技術、価値観や習慣などの文化的な特徴に着目し明らかにした。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19J22713
ID情報
  • 課題番号 : 19J22713
  • 体系的課題番号 : JP19J22713