共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

胃癌DNA二重鎖損傷修復機構破綻の包括的評価と臨床的意義の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K08698
体系的課題番号
JP18K08698
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

本研究の目的は、「胃癌における癌遺伝子解析パネルを用いたhomologous recombination (HR)関連遺伝子異常の評価、およびその臨床的意義を明らかにすることで、HR関連遺伝子異常を基軸とした胃癌薬物治療の発展への足がかりとすること」である。
これまでの研究から、癌遺伝子パネルによるHR関連遺伝子異常と抗γH2AX抗体による免疫組織化学により評価された胃癌DNA二本鎖修復機構の破綻とを比較したが、統計学的な関連は認められなかった。しかし、HR関連遺伝子異常を認める症例では白金系抗癌剤の治療効果が高く、再発後の予後が良好であることが示された。
本年度は、癌遺伝子パネルの解析によるMutational signatureと白金系抗癌剤の治療効果との関連を検討した。RECISTによる最良効果がPDの症例をnon-Responder、それ以外をResponderと定義して比較した。Signature 1/3/5/6/22/othersはResponder群で34%/31%/0%/12%/10%/12%、non-Responder群で28%/23%/9%/27%/7%/6%であり、Mutational signatureの分布に有意な差を認めた(P < 0.01)。
Signature 3は白金系抗癌剤の治療効果と関連していることが報告されている。本検討でもResponder群はnon-Responder群と比較してSignature3の割合が高く、胃癌においてもSignature 3が白金系抗癌剤の奏功性と関連している可能性が示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K08698
ID情報
  • 課題番号 : 18K08698
  • 体系的課題番号 : JP18K08698