共同研究・競争的資金等の研究課題

1998年4月 - 1999年3月

日米における統計作成のための外部デ-タ利用に関する制度・運営の比較研究

文部科学省  科学研究費助成事業  特定領域研究A(1)

配分額
(総額)
1,000,000円
(直接経費)
1,000,000円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

ミクロデ-タ利用技術研究の目的の一つは、統計機関が調査デ-タの一部又は全部を外部デ-タにより代替することにより、報告者の負担軽減や調査の効率化を図るための技術を開発することにある。本研究においては、統計機関が外部デ-タを利用することにより統計調査を改善するために望ましい制度的枠組みを解明することを目的とした。具体的には、日本における非統計上の目的で収集された行政記録を統計作成に使用することを実質的に促進させる制度のあり方を検討した。
 現在、総務庁行政管理局は総定員法に基づき総量規制的に定員の査定を所管している。また同局は,スクラップ・アンド・ビルドの原則に基づき、機構の査定を行っている。これに類するかたちで、統計基準部が所管する指定統計及び承認統計の審査についても総量規制方式あるいはスクラップ・アンド・ビルドを導入することが、行政記録の統計利用を促進させる有効な手段として考えられ得る。調査件数、調査客体数、調査項目数に大枠を課することができれば、自ずから各省庁は統計調査に機能的に代替しうる行政記録の統計利用の可能性を模索することになる。
 ただし、調査統計の審査におけるスクラップ・アンド・ビルド方式の導入にあたっては、調査統計に代替しうる行政記録の多くは税務デ-タであり、公務員の守秘義務が課せられていること等の問題が残っていること、また、行政記録の統計化に際しては、カバレッジや記録の更新時期の問題等が存在することも明らかになった