共同研究・競争的資金等の研究課題

2015年4月 - 2017年3月

トポロジーに着目した心臓病理検体からの先天性心疾患計算解剖モデルの構築

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
15H01133
体系的課題番号
JP15H01133
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

平成28年度は,(1)先天性心疾患(CHD)を含む心臓病理解剖検体をMRI撮像して得られたボリュームデータ全例のセグメンテーション,(2)医学教育のためのiPadビューワの開発,(3)ボリュームデータからのグラフ構造抽出手法の開発,(4)先天性心疾患オントロジーの開発を行った.
(1)CHDの病態理解には血流の把握が重要であることから,心筋部分の抽出に加えて血液のとおりみちである内腔部分もセグメンテーションの対象とすることとした.理化学研究所で開発されたソフトウェアVoTracerを用いて全7症例を実施した.例えばフォンタン術症例においては,下大静脈が右房・右室を介さず直接肺動脈に接続されている様子が明らかとなった.
(2)医学教育用iPadビューワを開発した.開発フレームワークにはUnreal Engineを用いた.タッチ操作による一般的な閲覧機能に加えて,心内腔を見やすくする表現手法や心エコー画像と対比させやすい断面表示など心血管の観察に有用な機能を実装した.
(3)CHDの形態特徴を表現するには,ボクセルの集合よりもノードとエッジの集合で構成されるグラフ構造の方が適切であると考えた.そこでボリュームデータからグラフ構造を抽出する手法を新たに開発した.ボリュームデータに対してユーザがノード位置を複数指定すると,スーパーボクセル化処理とグラフ探索によりノード間の最適経路を算出する.本手法を実装したアプリケーションを開発し良好な結果を得た.
(4)グラフ構造と病態とを自動的に対応づけるために,CHDオントロジーの構築を開始した.既存の正常人体オントロジーFoundation Model of Anatomyをベースとして,オントロジー構築支援ツールProtegeを用いて開発している.
以上,年度当初の研究計画を達成するとともに,追加で(4)オントロジー構築を開始した.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PUBLICLY-15H01133
ID情報
  • 課題番号 : 15H01133
  • 体系的課題番号 : JP15H01133