共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

低分子化合物による肝前駆細胞を用いた肝加齢性変化の改善、若返り治療

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
21K16383
体系的課題番号
JP21K16383
配分額
(総額)
4,680,000円
(直接経費)
3,600,000円
(間接経費)
1,080,000円

①高齢マウス肝における再生能低下の証明:C57BL/6 高齢マウス(90週齢以上)、若年マウス(20週齢以下)に対して70%肝切除を行い、血液検査所見、肝再生(liver weight/body weight ratio;LBWR)について比較検討を行った。肝切除後7日目のAST, ALT, ALP, LDH, ALB, TG, T-CHO値に両群で有意差を認めなかった。一方、高齢群の残肝/体重比は肝切除術後1日目、7日目で若年群よりも有意に低く(day1 p<0.01, day7 p=0.02)、高齢群の肝再生能は若年群と比較して劣っていることが明らかとなった。
②マウス肝細胞分離、CLiPの作製:C57BL/6 若年マウスより分離した成熟肝細胞を1.0×10 4 cells/cm2でコラーゲンコーティングディッシュ に播種し、3つの低分子化合物(ROCK阻害剤、TGF-β阻害剤、GSK3阻害剤)を添加した DMEM/F12培地で培養して(Chemically-induced Liver Progenitor; CLiP)にリプログラミングした。
③高齢肝切マウスに対するCLiPの投与:70%肝切除を行った高齢および若年マウスに対してコントロール群は生理食塩水を、CLiP投与群は8.0x105個のクリップを経脾臓投与した。肝再生(LBWR, Ki-67 index)につきCLiP投与の効果を比較した。高齢群の7日目のLBWRは非投与群より有意に上昇し(P=0.0076)、若年群と同等の再生率となった(p=0.11)。CLiPsを投与した高齢群の肝組織ではKi-67陽性細胞の面積率が非投与群と比較して有意に増加していた(p<0.01)。この結果から、高齢肝においてCLiP投与による肝再生能の改善効果が示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K16383
ID情報
  • 課題番号 : 21K16383
  • 体系的課題番号 : JP21K16383