2020年4月 - 2024年3月
音楽が誘発する身体運動の生起機序:その認知神経過程の解明および音楽療法への応用
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
- 課題番号
- 20H04303
- 体系的課題番号
- JP20H04303
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
-
- (総額)
- 10,270,000円
- (直接経費)
- 7,900,000円
- (間接経費)
- 2,370,000円
本研究課題では,音楽によって人間の身体が「自動的に」動くメカニズムを実証的に解明するとともに,そのメカニズムを音楽療法に応用することを目指している。今年度は,心理学グループ,脳神経科学グループ,音楽療法グループが,最終的な総合知の獲得に向けそれぞれ研究を実施した。
心理学グループでは,音楽に含まれる運動情報が聴取者に身体運動を引き起こすという仮説をたて,音楽による身体運動を「シンクロニー」と「引き込み」の観点から明らかにするため,自律神経計測を含む実験を行った。その結果,音楽によるシンクロニーや引き込みは,演奏者と聴取者が同じ空間を共有することで強まることを示した。また,脳神経科学グループでは,音楽を聴取して身体を動かしたくなる感覚である「グルーヴ」に注目し,リズムパターンを聴取しているときの脳活動を計測した。さらに,音楽療法グループでは,これらの実証研究の応用として,認知症高齢者に対する音楽療法のエビデンス確立に向けた文献調査(コクランレビュー)を実施した。
2020年度の大きな成果の一つとして,研究分担者である田部井を大会長として開催された,日本音楽医療研究会第14回学術大会「基礎と臨床の相互理解が拓く音楽医療」において,本研究課題の研究代表者・分担者が登壇するシンポジウム「基礎から臨床へのアプローチ」を開催できたことがある。本研究課題は,音楽における知覚認知を基礎としながら,認知症高齢者に対する非薬物療法としての音楽療法への社会還元を目指しており,“基礎から応用”の融和に向けた一歩を進めることができたと考えている。
心理学グループでは,音楽に含まれる運動情報が聴取者に身体運動を引き起こすという仮説をたて,音楽による身体運動を「シンクロニー」と「引き込み」の観点から明らかにするため,自律神経計測を含む実験を行った。その結果,音楽によるシンクロニーや引き込みは,演奏者と聴取者が同じ空間を共有することで強まることを示した。また,脳神経科学グループでは,音楽を聴取して身体を動かしたくなる感覚である「グルーヴ」に注目し,リズムパターンを聴取しているときの脳活動を計測した。さらに,音楽療法グループでは,これらの実証研究の応用として,認知症高齢者に対する音楽療法のエビデンス確立に向けた文献調査(コクランレビュー)を実施した。
2020年度の大きな成果の一つとして,研究分担者である田部井を大会長として開催された,日本音楽医療研究会第14回学術大会「基礎と臨床の相互理解が拓く音楽医療」において,本研究課題の研究代表者・分担者が登壇するシンポジウム「基礎から臨床へのアプローチ」を開催できたことがある。本研究課題は,音楽における知覚認知を基礎としながら,認知症高齢者に対する非薬物療法としての音楽療法への社会還元を目指しており,“基礎から応用”の融和に向けた一歩を進めることができたと考えている。
- ID情報
-
- 課題番号 : 20H04303
- 体系的課題番号 : JP20H04303
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
9-
日本音響学会第151回(2024年春季)研究発表会講演論文集 1247-1250 2024年3月6日 招待有り筆頭著者最終著者責任著者
-
Arts & Health Online first 1-13 2023年10月4日 査読有り筆頭著者責任著者
-
In M. Tsuzaki, M. Sadakata, S. Ikegami, T. Matsui, M. Okano, & H. Shoda (Eds.), The e-Proceedings of the 17th International Conference on Music Perception and Cognition and the 7th Conference of the Asia-Pacific Society for the Cognitive Sciences of Music 1-3 2023年8月23日 筆頭著者責任著者
-
日本音楽知覚認知学会資料 JSMPC2023(1) 34-39 2023年6月1日 筆頭著者責任著者
-
精神科 41(1) 14-20 2022年7月1日 招待有り筆頭著者最終著者責任著者
-
立命館スポーツ健康科学 12 14-22 2022年3月1日 招待有り筆頭著者最終著者責任著者
-
音楽知覚認知研究 27(1) 21-40 2021年9月1日 査読有り筆頭著者責任著者
-
電子情報通信学会技術研究報告 120(218) 26-31 2020年10月1日 筆頭著者責任著者
-
日本認知科学会第37回大会論文集 1-6 2020年9月1日 最終著者
書籍等出版物
1-
Asakura Publishing 2023年2月1日
講演・口頭発表等
10-
The 17th International Conference on Music Perception and Cognition and the 7th Conference of the Asia-Pacific Society for the Cognitive Sciences of Music 2023年8月24日
-
情報処理学会第84回全国大会 2022年3月5日
-
情報処理学会第84回全国大会 2022年3月4日
-
The 3rd Symposium on Perception and Cognition Systems for Nature of Plausibility: Music as Confluence of Perceptual, Cultural, and Aesthetic Plausibility 2022年2月22日 招待有り
-
International Symposium on Performance Science 2021 2021年10月27日
-
International Symposium on Performance Science 2021 2021年10月27日
-
第31回音楽の科学研究会 2021年10月17日 招待有り
-
第31回音楽の科学研究会 2021年10月17日 招待有り
-
日本心理学会第85回大会 2021年9月1日
-
日本心理学会第85回大会 2021年9月1日