共同研究・競争的資金等の研究課題

1994年 - 1995年

局所的ケイジド試薬の活性化を用いた外分泌腺細胞の機能の解明

文部科学省  科学研究費補助金(一般研究(B))  一般研究(B)

課題番号
06454144
体系的課題番号
JP06454144
資金種別
競争的資金

本研究ではケイジド試薬を利用して外分泌腺細胞の分泌機能を解明することを試みた。局所的ケイジド試薬活性化や、その他いろいろな事を試みた結果、特に、冷却CCDカメラとケイジド試薬を用いた研究において以下の様な著しい研究成果がでた。
1)外分泌腺細胞において、アゴニストによる細胞内ストアからのCa放出で分泌の起きている局所でCa濃度が10μモルに達する事を低親和性Ca指示薬と冷却CCDカメラを用いて初めて見出した。2)新たに見つかったマイクロモルのCa上昇は外分泌腺の開口放出に必須であることがわかった。3)これに対して、低濃度のCa上昇はCa依存性イオンチャネルの活性化しか起こさない。この様に、マイクロモルのCa上昇には低濃度上昇とは別の大きな機能的意義があることがわかった。4)低親和性Ca指示薬と高親和性Ca指示薬を共用する4波長画像処理法を開発し、腺細胞先端部トリガ性ゾ-ンでCaドメインと呼ばれる高濃度Ca領域がある事を見出した。5)神経終末ではこのCaドメインは伝達物質放出に決定的な意義を持っていることが想定されているが、外分泌腺の開口放出では、Caドメインは寄与しないと考えられた。これは、外分泌腺の分泌顆粒のCaセンサ-のCa結合が遅いためである。この様に、Caドメインの細胞機能への関与の違いを論証したのはこの仕事が初めてである。これらの結果については現在論文を投稿中である。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/p/06454144
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-06454144
ID情報
  • 課題番号 : 06454144
  • 体系的課題番号 : JP06454144