2020年4月 - 2022年3月
電気的ニュートラルなCe(IV)層状ペロブスカイトナノシートの創成と光機能
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
本研究の第一段階となる「セリウム導入層状ペロブスカイトの創出」に関して,多くの知見が得られた。まず,これまでに予備研究段階で発見していたタンタル酸塩により,学術論文にて発表することができ,その合成法の確立,結晶構造ならびに電子構造の決定に成功した。また,この合成手法は,タンタル酸塩以外のニオブ酸塩,チタン酸塩といった従来の層状ペロブスカイトによく用いられる遷移金属種にも適用できることが分かった。また,層状ペロブスカイト特有の化学修飾能も,これまで知られてきた層状ペロブスカイトと同様に有しており,層間化学種のイオン交換が可能であることが分かった。ついで,従来法である4級アルキルアンモニウムイオンを用い化学処理による層間剥離は,部分的にではあるものの,単層剥離することが確認された。今後は,十分な剥離ができるプロセスの最適化をする必要がある。
初年度の計画の根幹となるセリウムのレドックス能については,部分剥離したアニオン性セリウム含有ペロブスカイト層を過マンガン酸カリウムにより,酸化反応が進行することが,放射光を用いたXAFS解析からわかった。その構造は,STEM観察,EXAFS解析,X線回折等から多角的に推定することができ,ペロブスカイト骨格を有していることが分かった。また,そのペロブスカイト層は,前駆体となるアニオン性ペロブスカイトに比べて正側に帯電していることが,ゼータ電位測定から明らかになった。
次年度は,得られた電気的中性層状ペロブスカイト化合物の機能開拓を実施予定である。
初年度の計画の根幹となるセリウムのレドックス能については,部分剥離したアニオン性セリウム含有ペロブスカイト層を過マンガン酸カリウムにより,酸化反応が進行することが,放射光を用いたXAFS解析からわかった。その構造は,STEM観察,EXAFS解析,X線回折等から多角的に推定することができ,ペロブスカイト骨格を有していることが分かった。また,そのペロブスカイト層は,前駆体となるアニオン性ペロブスカイトに比べて正側に帯電していることが,ゼータ電位測定から明らかになった。
次年度は,得られた電気的中性層状ペロブスカイト化合物の機能開拓を実施予定である。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K15106
- 体系的課題番号 : JP20K15106