共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

民事訴訟利用者調査の経年実施からみる利用者の評価と政策的課題

日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)
  • 垣内 秀介

課題番号
20H01437
体系的課題番号
JP20H01437
配分額
(総額)
17,160,000円
(直接経費)
13,200,000円
(間接経費)
3,960,000円

本研究は、(ⅰ)利用者調査の準備、(ⅱ)調査の実施、(ⅲ)調査結果の第1分析報告書の作成、(ⅳ)調査結果の第2次分析報告書の作成の各段階からなるが、本年度においては、これらのうち、(ⅱ)の段階が中心となった。
調査本体の実施時期は、先行調査との整合性を維持するため、従前と同様に8月から10月までの2ヶ月間とした。調査は、匿名郵送調査により、サンプル抽出は、全国の地裁の終局事件から層化なし確率比例二段抽出法によった。調査実施に先立ち、最高裁判所及び日本弁護士連合会との協議を踏まえ、調査票の内容を最終的に確定したものを使用した。これと並行して、調査実施に関する業務を委託する調査会社との契約を締結し、具体的な作業についての打合せを行った。最高裁判所からは、調査対象抽出用の事件データの提供を受けるほか、対象事件当事者の氏名、住所等、郵送調査実施のために必要な情報及びこれらの情報の収集にかかる入力作業のスペースの提供など、調査実施の全過程にわたり、種々のご協力を頂いた。調査票の回収後、調査会社から速報値の納品を受け、これを関係者に送付するほか、データの納品後、直ちに各種集計表の作成に着手した。
今次調査においては、最終的な調査対象者人数は4223人となり、2016年調査と比較して34%の増加となった。これは、最高裁判所から当初の想定を上回る事件情報の提供があったこと、また、過払金返還請求事件の数が予想よりも減少したことなどによる。また、回収数は1058通で、回収率は25.1%となった。これは、絶対数としては当初目標とした800通を超えたものの、2016年調査の28.9%を下回る結果であった。十分に信頼に足りる分析が可能な回答数を確保できたといえるが、調査結果の評価・検討に際しては、留意を要する点と考えられる。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H01437
ID情報
  • 課題番号 : 20H01437
  • 体系的課題番号 : JP20H01437