講演・口頭発表等

PWR条件の照射下での水素注入効果の評価,1; ラジオリシスに及ぼす照射線質とpHの影響

日本原子力学会2021年春の年会
  • 端 邦樹
  • ,
  • 塙 悟史
  • ,
  • 知見 康弘
  • ,
  • 内田 俊介

開催年月日
2021年3月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
東京(online)
国・地域
日本

国内加圧水型軽水炉(PWR)では、PWSCCの抑制や更なる被ばくの低減を目指して一次冷却系の溶存水素濃度の最適化が検討されている。本研究では、PWR一次系環境を模擬した化学制御を照射下で実施可能なStudsvik ABのINCAループで取得した腐食電位(ECP)測定結果を用いて、ECPへのH$_{2}$添加量の影響を精度良く評価するためのECP解析モデルの改良を検討した。ECP解析の前段となるラジオリシス解析においては、B(n,$\alpha$)Li由来の$\alpha$線によるラジオリシス等、PWRの特徴を考慮し、過酸化水素(H$_{2}$O$_{2}$)の発生量への水素(H$_{2}$)添加量依存性を調べた。個々の放射線の影響について調べた結果、ガンマ線や中性子と比較して$\alpha$線によるH$_{2}$O$_{2}$発生量が大きいことが示された。これらの放射線によるH$_{2}$O$_{2}$発生量に対するH$_{2}$添加量の影響について確認したところ、10ppb以下のH$_{2}$ではH$_{2}$O$_{2}$発生量が変化しなくなることや、100ppb程度のH$_{2}$によりH$_{2}$O$_{2}$発生量が十分に抑制されることがわかった。引き続き、本ラジオリシス解析結果を用いたECP解析を実施し、INCAループの試験結果の確認を行う。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5070511