2017年4月 - 2020年3月
小腸グルコース吸収機構における能動から拡散輸送へのモード変化の生理学的意義の検討
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
- 課題番号
- 17K00860
- 体系的課題番号
- JP17K00860
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
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- (総額)
- 4,550,000円
- (直接経費)
- 3,500,000円
- (間接経費)
- 1,050,000円
- 資金種別
- 競争的資金
小腸での栄養素吸収機構は、生体が必要なエネルギーを外界から取り込むための根源的な機構であり、その中でも特にグルコース吸収機構は多くの生物において普遍的な機構である。小腸のグルコース吸収輸送活性はNa依存性のグルコース輸送体(SGLT1)を欠損させたマウスでは低下しており、SGLT1は小腸での主要なグルコース吸収機構であると考えられている。また、その吸収部位に関してもSGLT1のタンパク質発現量は上部小腸で高いため、上部小腸が主要なグルコース吸収部位であると考えられている。一方、多量のグルコース摂食時にはSGLT1以外に、拡散による機構が存在することが複数のグループから報告されているがその詳細な機構は明らかにされていない。前年度の研究ではマウス上部小腸では、絶食時にSGLT1輸送活性が上昇することを観察している。そこで、本研究では、絶食による上部小腸のSGLT1輸送活性調節機構について、マウスで詳細に検討した。また、過去の研究では種差、部位差、測定手法により、小腸グルコース吸収活性がことなる事が示されている。このため本研究では、マウス、ラット、ハムスターを用い、グルコース輸送活性に対する絶食の効果を反転腸管法とUssingチャンバー法で測定を行い小腸グルコース吸収機構とグルコース吸収機構に対する絶食の効果について検討した。絶食により SGLT1輸送活性の上昇と同時に、上皮細胞間のイオン透過性の指標である経上皮コンダクタンスの上昇が上部小腸で観察された。また、SGLT1機能測定における種差の検討からは、反転腸管法はグルコース輸送機能評価方法としては有用であるが、Ussingチャンバー法は種並びに用いる小腸部位により適正が異なることが示唆された。
- ID情報
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- 課題番号 : 17K00860
- 体系的課題番号 : JP17K00860