長谷川晴生

J-GLOBALへ         更新日: 17/11/24 23:50
 
アバター
研究者氏名
長谷川晴生
 
ハセガワ ハルオ
ハンドル
hhasegawa
eメール
tokannifty.com
URL
http://hhasegawa.la.coocan.jp/
所属
アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルク
部署
文献学部 ドイツ文学科
職名
博士課程
学位
修士(学術)(東京大学大学院総合文化研究科), 学士(教養)(東京大学教養学部)
その他の所属
東京理科大学
Twitter ID
hhasegawa

プロフィール

 「法・政治の言語と宗教・芸術の言語の相互作用」を、最も大枠となる研究テーマとしています。法や政治は社会科学の対象、宗教(神学・神話)および芸術(文学を含む)は人文学の対象として区分する方式は、実は自明ではありません。特にドイツ語圏においては、ゲルマン法研究とゲルマン語文学研究を同時に意味するGermanistikの概念が発達してきた事実をとっても、この両者の不分明さが常に意識され続けてきたといえます。「政治神学」(カール・シュミット)にせよ「政治の美学化」(ヴァルター・ベンヤミン)にせよ、戦間期の不安定な状況のなかでますます揺らぎつつある双方の領域の相互干渉を、一種の置換関係として分析しようと提出された概念に他なりません。
 このような包括的関心のもと、とりわけドイツ語圏の文学・思想をフィールドとして、以下の個別テーマに取り組んでいます。

[1]エルンスト・ユンガー(1895年~1997年)の総合的研究。保守革命に投企するラディカルな政治的発言者であると同時に現代ドイツ最有力の作家の一人と遇されもするユンガーは、法・政治の言語と宗教・芸術の言語の相互干渉の主題にとって重要な分析対象となり得ます。詩・小説・日記のみならず、軍事学論文・政治評論・哲学的散文・自然観察などあらゆるジャンルを横断した対象を包括的にとらえるため、その一貫するテーマとして「境界(Grenze)」についての思考を見出し、ユンガーの全著作を体系的に読解することを目指します。当然、ユンガーと交流や論争のあった同時代人、ハイデガー、シュミット、ベンヤミンをはじめ、F. G. ユンガー、エルンスト・フォン・ザロモン、エルンスト・ニーキシュらも、本人との関係において言及されることになるでしょう。

[2]青年保守の研究。保守革命の研究においては、ユンガーらを含む「国民革命派」と並んで、「青年保守派」と呼ばれるグループが思想史的に重要な存在として取り上げられます(アルミン・モーラー)。「国民革命」に比してヨーロッパの伝統的思考体系を継承する度合が強いとされる彼らは、神学的および公法学的な発想から来たるべき国家を構想しつつあったといえます。ここでは、メラー・ファン・デン・ブルックやエトガー・ユリウス・ユングに代表される(広義には『非政治的人間の考察』前後のトーマス・マンやシュミットを含む)「青年保守」を、そのポスト国民国家体制としてのライヒ(Reich)論や千年王国論、また有機的国家論に力点を置いて論じることになります。

[3]政治神学と経済神学の研究。法・政治の言語と宗教・芸術の言語の変換過程として、政治神学の問題設定は避けて通れません。政治神学に公法学の領域から接近したのがシュミットであったとすれば、それを逆から行ったのがエリック・ペーターゾンをはじめとする神学者であり、文学の場で似たテーマを追求したのがカフカやフーゴー・バル([1]のユンガーをここに連ねる視点も可能)であったといえます。また、政治(ポリス)-神学の系として経済(オイコスのノモス)-神学という視角も成立し、その端緒には彼らの同時代人であるベンヤミンが立っていることを指摘できます。W. ハーマッハーやS. ウェーバーの先行研究を参照しつつ、ここでは経済神学も考察の対象となります。

[4]ここに至るまでのゲルマニスティクの研究。当初から法・政治および宗教・芸術の言語を包含する空間として成立したGermanistikについて、19世紀を中心に発展の動向を分析することが不可欠です。具体的には、19世紀前半におけるロマン主義と歴史法学、それと深い関係を持ちつつ発展したニーチェ思想、19世紀後半から世紀転換期にかけてのゲオルゲ派、ミュンヒェン宇宙論派、生の哲学、といった伝統的なドイツ文学の枠内で個別に扱われてきた事象に、この両言語の相互介入という観点から、新たに光を当てることを目指します。

[5]マルクスおよびマルクス主義の研究。マルクスは、ヘーゲル主義・イギリスの経済学・フランスの政治思想の文脈で理解されるのが通例ですが、彼自身が古典解釈、特に歴史法学の土壌から出発した側面を有し、実はロマン主義の系譜に立つ19世紀思想に対しては両義的な位置を占める思想家であるといえます。ここから、[4]で挙げた思潮の批判的継承者としての側面からの、マルクスおよびマルクス後の社会主義思想の読み直しの必要性が出来します。その際には、歴史法学(なかでもサヴィニー)とマルクス、加えて[3]の経済神学とマルクス、という視点が導入されます。

以上のうち、[1]は計画中の博士論文の内容となります(ただし、その一部分としての技術論は修士論文で既に扱われている)。また[2]・[3]・[4]・[5]については、あるものは博士論文と並行してそれ以外の論文にまとめられ(一部は口頭発表として着手済み)、あるものは博士号取得後の重点的な研究対象とする、と予定しています。

13. März 2013

研究分野

 
 

経歴

 
2017年4月
 - 
現在
東京理科大学 理学部第一部教養学科 非常勤講師
 
2013年7月
 - 
2013年12月
東京大学 博士課程研究遂行協力制度 学術研究業務委嘱者
 
2010年4月
 - 
2010年9月
ハレ・ヴィッテンベルク大学哲学部 日独共同大学院 客員研究員
 
2009年4月
 - 
2012年3月
日本学術振興会 特別研究員(DC1)
 
2008年4月
 - 
2009年3月
東京大学教養学部 ティーチング・アシスタント
 

学歴

 
2014年10月
 - 
現在
フライブルク大学 文献学部 ドイツ文学科 博士課程
 
2014年4月
 - 
2014年9月
フライブルク大学 哲学部 哲学科 博士課程
 
2009年4月
 - 
2017年3月
東京大学 大学院総合文化研究科 地域文化研究専攻 ドイツ地域 博士課程
 
2007年4月
 - 
2009年3月
東京大学 大学院総合文化研究科 地域文化研究専攻 ドイツ地域 修士課程
 
2005年10月
 - 
2006年9月
ベルリン・フンボルト大学 第一哲学部 プログラム生
 
2005年4月
 - 
2007年3月
東京大学 教養学部 地域文化研究学科 ドイツ分科
 
2003年4月
 - 
2005年3月
東京大学 教養学部 文科一類
 

委員歴

 
2017年10月
 - 
現在
実存思想協会  幹事
 

論文

 
長谷川晴生
北村紗衣編『共感覚から見えるもの:アートと科学を彩る五感の世界』勉誠出版   299-329   2016年5月   [招待有り]
修士論文:エルンスト・ユンガーの美学-政治的機械論
長谷川晴生
東京大学      2008年12月

Misc

 
長谷川晴生
齋藤元紀/陶久明日香/関口浩/渡辺和典監訳『問いと答え:ハイデガーについて』法政大学出版局:叢書ウニベルシタス   271-293   2017年11月   [依頼有り]
原文(ドイツ語)=Günter Figal, Der Metaphysische Charakter der Moderne. Über die Linie und Über „Die Linie“, in: Zu Heidegger. Antworten und Fragen, Frankfurt am Main 2009, S. 205-221.
長谷川晴生
鍛治哲郎/竹峰義和編『陶酔とテクノロジーの美学:ドイツ文化の諸相1900‐1933』青弓社   65-81   2014年6月   [依頼有り]
原文(ドイツ語)=Gabriele Stumpp, Rausch und Kontrolle. Technik in Alfred Döblins „Berge, Meere und Giganten“, nicht abgedruckt, 2013.
長谷川晴生
北海道新聞   2011年(10月9日付)    2011年10月   [依頼有り]

書籍等出版物

 
ギュンター・フィガール (担当:共訳, 範囲:「モデルネの形而上学的性格:「線を越えて」と「「線」について」」翻訳)
法政大学出版局   2017年11月   ISBN:4588010719
北村紗衣編 (担当:分担執筆, 範囲:論文「感覚の境界の彼方に:ロマン主義、象徴派、エルンスト・ユンガーの詩作と思索」)
勉誠出版   2016年5月   ISBN:4585210334
鍛治哲郎/竹峰義和編 (担当:共訳, 範囲:第3章:ガブリエーレ・シュトゥンプ「陶酔と制御:アルフレート・デーブリーン『山と海と巨人』における技術」翻訳)
青弓社   2014年6月   ISBN:4787273493

講演・口頭発表等

 
長谷川晴生
日本独文学会・2013年春季研究発表会   2013年5月25日   日本独文学会
長谷川晴生
日独共同大学院・13'春季セミナー   2013年3月10日   日独共同大学院プログラム
長谷川晴生
第2回駒場ドイツ語研究会   2013年1月16日   駒場ドイツ語研究会
長谷川晴生
実存思想協会・第28回大会   2012年6月30日   実存思想協会

担当経験のある科目

 
 

競争的資金等の研究課題

 
「境界(Grenze)」概念を軸とした、作家・思想家エルンスト・ユンガーの研究
独立行政法人日本学生支援機構: 海外留学支援制度(長期派遣)
研究期間: 2014年4月 - 2017年3月    代表者: 長谷川晴生
「境界(Grenze)」概念を軸とした、作家・思想家エルンスト・ユンガーの研究
東京大学: 博士課程研究遂行協力制度
研究期間: 2013年7月 - 2013年12月    代表者: 長谷川晴生
独立行政法人日本学術振興会: 特別研究員奨励費(DC1)
研究期間: 2009年4月 - 2012年3月    代表者: 長谷川晴生

社会貢献活動

 
ドイツ語圏留学報告・相談会
【司会, 企画】  駒場ドイツ語研究会  第5回・駒場ドイツ語研究会  2016年3月31日

その他

 
2014年9月
【翻訳発表】Günter Figal, Der metaphysische Charakter der Moderne. Ernst Jüngers Schrift Über die Linie (1950) und Martin Heideggers Kritik Über "Die Linie" (1955) , in: Zu Heidegger. Antworten und Fragen, Frankfurt am Main
ハイデガー研究会・2014年9月例会(立教大学、2014年9月7日)
http://heidegger.exblog.jp/22759148/
※ ギュンター・フィガール『問いと答え:ハイデガーについて』法政大学出版局、2017年に収録。
2013年7月
【司会】Martin Heidegger, Was ist das - die Philosophie?, Stuttgart 1956/2008, S. 24-31.の訳読(担当者:吉次基宣氏)
ハイデガー研究会・2013年7月例会(立教大学、2013年7月21日)
http://heidegger.exblog.jp/20080007/
2013年7月
【講演報告】藤崎剛人「主権・ノモス・均衡:尾高朝雄とカール・シュミット」(コメンテーター:石川健治)
第3回駒場ドイツ語研究会(東京大学、2013年5月23日)
http://deutsch.c.u-tokyo.ac.jp/~deutsch_komaba/cgi-bin/wblog/wblog.cgi?archive=1373262959
2013年6月
【訳読担当】Martin Heidegger, Was ist das - die Philosophie?, Stuttgart 1956/2008, S. 17-24.
ハイデガー研究会・2013年6月例会(高千穂大学、2013年6月30日)
http://heidegger.exblog.jp/19935424/
2010年2月
【講演翻訳】イェルク・H・グライター「記号のテンポと記号のパトス:『大いなるリズム』についてのニーチェの定義」
Internationales Symposium »Rausch und Ästhetik im deutschsprachigen Raum um 1900« [国際シンポジウム「ドイツ語圏世紀転換期における陶酔と美」](東京大学、2010年2月20日)
http://phiz.c.u-tokyo.ac.jp/~rausch/