2017年1月
生後1ヵ月児の皮膚状態と母親の認識との比較研究
母性衛生
- 巻
- 57
- 号
- 4
- 開始ページ
- 573
- 終了ページ
- 580
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- (公社)日本母性衛生学会
「皮膚トラブル」は育児期にある母親にとって、ストレス要因の上位にある。本研究は、1ヵ月児とその母親70組を対象に、母親のわが子の皮膚に対する認識と日々のスキンケア、ならびに実際の児の皮膚状態との関連について明らかにすることを目的とした。調査内容は、母親に対して児の皮膚状態の認識やスキンケア実施の有無について自記式質問紙調査で、1ヵ月児に対しては、測定機器を用いて皮膚の水分・油分量の測定を行い、不足・標準・過剰の3段階で評価した。統計解析はSPSS ver.22.0を使用し、Kruskal-Wallis検定、χ2検定を行い、いずれも有意水準は5%とした。その結果、1ヵ月児の9割以上が乾燥状態であるのに対し、母親は80%以上が標準と評価しており、実際の皮膚状態と母親の認識にはギャップがあった。家庭でのスキンケア実施率は全体の4割と低く、スキンケア実施と皮膚状態の認識との関連はなかった。本調査において、実際の児の皮膚状態と母親の認識が一致していないことが明らかとなった。そのため、日々のケアの判断を母親だけに委ねるのではなく、助産師や医療者が、乳幼児の皮膚の特徴やスキンケアの方法について個別に指導する必要がある。(著者抄録)
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 0388-1512
- 医中誌Web ID : 2017179854
- CiNii Articles ID : 40021067501
- CiNii Books ID : AN0022863X