講演・口頭発表等

抽出クロマトグラフィ用吸着ガラスの安全性評価研究

日本原子力学会第13回再処理・リサイクル部会セミナー
  • 宮崎 康典
  • ,
  • 佐野 雄一
  • ,
  • 小藤 博英
  • ,
  • 渡部 創
  • ,
  • 江夏 昌志*
  • ,
  • 佐藤 隆博*

開催年月日
2017年12月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
東京
国・地域
日本

高レベル放射性廃液からマイナーアクチノイド(MA)を分離回収する抽出クロマトグラフィの技術開発で、放射線劣化に関連した安全性評価を実施している。本研究では、MAおよび付随した核分裂生成物から放出される$\alpha$線(Heイオン線)と$\gamma$線に対するCMPO吸着ガラスのEu保持能力や劣化挙動を調査した。照射線量に対するEu漏出率は、Heイオンと$\gamma$線で異なる挙動を示した。例えば、Heイオンの場合は弾性散乱による吸着ガラス表面の劣化が予想され、$\gamma$線ではラジカル種の生成速度が重要になると考えられた。また、$\gamma$線照射した吸着ガラスには大気PIXE分析を行い、照射線量に応じたEuの表面密度の減少を確認した。Heイオン照射後のEu密度分布を評価するPIXE-CT分析では、Eu漏出試験と同様に、ガラス粒子表面の密度分布が減少していることから、弾性散乱による劣化を強く示唆した。まとめると、CMPO吸着ガラスは放射線劣化が起きやすく、長期保管には適していない。金属イオンの密度分布を可視化するPIXE分析を用いることで、放射線分解を定性的に説明できるようになった。今後は、定量分析と理論計算の導入によって、CMPOの結合解離経路や分解生成物の発生割合等を明らかにする。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5061305