論文

2004年8月25日

鎖骨骨折整復時の Kirschner 鋼線が迷入し, 総頸動脈を貫通した1例

日本臨床外科学会雑誌 = The journal of the Japan Surgical Association
  • 肥田 候矢
  • ,
  • 吉田 良
  • ,
  • 山神 和彦
  • ,
  • 山本 秀和
  • ,
  • 小西 靖彦
  • ,
  • 武田 惇

65
8
開始ページ
2099
終了ページ
2102
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.3919/jjsa.65.2099
出版者・発行元
Japan Surgical Association

迷入異物が総頸動脈を貫通した稀な1例を報告する.症例は, 71歳男性. 5カ月前に交通外傷で右鎖骨遠位端を骨折し, Kirschner鋼線(K-wire) 2本による観血的整復固定術を受けた.そのうちの1本が徐々に前縦隔内に迷入したため外科に紹介された.自覚症状はなく,術前検査でも臓器損傷を疑わせる所見はなかった.十分な視野を確保するため胸骨縦切開でアプローチしワイヤーを摘出したところ, K-wireの入っていた瘻孔先端部より大出血が見られた. K-wireが左総頸動脈を貫通していたことが判明したため,血管損傷部を切除し端々吻合を行った.術後の経過は順調であった. K-wire迷入の報告は散見されるが動脈を貫通した報告は国内では1例目である.たとえ無症状であっても縦隔内の異物は重要な臓器損傷を起こす可能性があり,十分な視野のもとで摘出術を行う必要がある.

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.3919/jjsa.65.2099
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/50000547399
ID情報
  • DOI : 10.3919/jjsa.65.2099
  • ISSN : 1345-2843
  • CiNii Articles ID : 50000547399
  • identifiers.cinii_nr_id : 9000002889693

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