2017年1月
J-PARC 3GeVシンクロトロンで起こるビーム不安定性の理論的解明
Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet)
- 巻
- 2017
- 号
- 1
- 開始ページ
- 013G01\_1
- 終了ページ
- 013G01\_39
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.1093/ptep/ptw169
大強度のビームを加速すると、一般にビームは不安定になることが知られている。それは、周回中のビームと加速器の機器には電磁相互作用(ビームのインピーダンス)があるからである。ビームを不安定にならないようにするためには、ビームのインピーダンスが閾値を超えなければ良いことが分かっていて、それは、インピーダンスバジェットと呼ばれている。J-PARC 3GeVシンクロトロンは、キッカーというビームを蹴り出す装置がインピーダンスバジェットを破っていることが、建設初期の段階から明らかにされており、1MWビームの達成を阻害することが懸念されてきた。今回、ビームの構成粒子自身の電荷に由来する電磁相互作用(空間電荷効果)には、ビームを安定化させる効果があることを理論的に明らかにした。また、ビームのパラメータや加速器のパラメータを適切に選べば、J-PARC 3GeVシンクロトロンのような低エネルギーのマシーンでは、従来のインピーダンスバジェットを破ることは、1MWビームを達成する上で致命傷にはならないことを実験的にも実証した。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.1093/ptep/ptw169
- ISSN : 2050-3911
- Web of Science ID : WOS:000396528500011