MISC

2013年2月

脳磁図の臨床応用に関する文献レビュー (第4報) : 精神科疾患・認知症

臨床神経生理学
  • 石井 良平
  • 渡辺 裕貴
  • 青木 保典
  • 平田 雅之
  • 白石 秀明
  • 尾﨑 勇
  • 井口 義信
  • 露口 尚弘
  • 鎌田 恭輔
  • 亀山 茂樹
  • 中里 信和
  • 橋本 勲
  • 武田 雅俊
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41
1
開始ページ
29
終了ページ
45
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.11422/jscn.41.29
出版者・発行元
一般社団法人 日本臨床神経生理学会

脳磁図は, 脳電気生理活動を直接測定できる, 高時間空間分解能を有する, 基準電極が必要無いため誤ったセンサー間の相関を生じない等優れた特性を持ち, この脳磁図を用いることにより脳電気生理活動を即時的でより精密に測定できると考えられている。また, 脳磁図測定データに対する解析手法も発展してきており, 電流源密度分布推定法, 脳部位間の相関解析, 脳磁図波形複雑性解析等が実用化されている。この脳磁図と脳磁図解析法を用いて精神科疾患の病態解明を目的に臨床研究も盛んに行われるようになってきており, 様々な研究成果が報告されている。本論文では, 2012年3月までの間に発表された文献検索に基づき主要な精神科疾患・認知症疾患に関する論文を渉猟し, 脳磁図臨床研究の動向を調べた。その結果, 統合失調症95本, 気分障害23本, 発達障害29本, てんかん精神病13本, アルツハイマー病と軽度認知機能障害を含む認知症71本の論文をリストアップし, 各疾患で代表的な論文についてその研究成果を概説した。精神科疾患・認知症に対する臨床的有用性を強調した論文も散見されたが, 米国医療政策研究局のエビデンスレベル分類で2以上の評価を得た論文は, 認知症を対象とした2編のみであった。今後は, 精神科疾患・認知症に対して, 被験者数をより多く集め, 多施設間の共同研究による, より客観的な脳磁図の臨床研究が行われていくことが期待される。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.11422/jscn.41.29
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130005003304
ID情報
  • DOI : 10.11422/jscn.41.29
  • ISSN : 1345-7101
  • eISSN : 2188-031X
  • 医中誌Web ID : 2014060016
  • CiNii Articles ID : 130005003304
  • identifiers.cinii_nr_id : 9000283713027

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