2009年 - 2011年
10 GPa級高圧NMRを用いた新規鉄系高温超伝導体の機構解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
母物質BaFe_2As_2、Baの一部分をKに置換したホールドーピング系(Ba_<1-x>K_x)Fe_2As_2(0≦x≦1)を中心に、高品質な単結晶の物性評価、及び超伝導関する圧力効果を調べてきた。KFe_2As_2に関して残留抵抗の小さい試料を得る事に成功し(RRR>500)、NMR/NQR、比熱測定から、KFe_2As_2が極端に大きさの異なる超伝導ギャップを持つマルチギャップ超伝導体である事、大きな超伝導ギャップが線状のノードを持つ可能性がある事を指摘した。中間の濃度範囲で超伝導ギャップ構造が連続的に変化していることを示した。BaFe_2As_2における高圧下の反強磁性の消失・超伝導相の出現の様子を15 GPaまで調べた。BaFe_2As_2の超伝導は、静水圧性が高い場合には10GPaまで発生しない事が分かった。また反強磁性・超伝導の相転移が、一軸性圧力に極めて敏感であることを指摘した。
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- 課題番号 : 21540351
- 体系的課題番号 : JP21540351