共同研究・競争的資金等の研究課題

2000年 - 2004年

細胞死の分子機構とその生理作用の解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特定領域研究  特定領域研究

課題番号
12219213
体系的課題番号
JP12219213
配分額
(総額)
289,900,000円
(直接経費)
289,900,000円

平成12年からの16年度の第2次先端がんでは、アポトーシス時に起こる染色体DNAの分解の分子機構とその生理作用に関して解析した。すなわち、第1次の先端がんで同定したCAD(caspase-activated DNase)の酵素化学的性質を明らかにすると共に、CAD遺伝子を欠損したマウスを樹立し、この酵素がアポトーシス細胞で染色体DNAを分解する唯一の分子であることを証明した。一方、生体内では死細胞のDNAは死細胞がマクロファージによって貪食された後、マクロファージのリソソームに存在するDNase IIによっても分解されることを示した。そして、DNase II遺伝子を欠損するマウスを樹立し、このDNaseはアポトーシス細胞のDNAばかりでなく、赤血球前駆細胞から放出された核DNAの分解にも関与していることを示した。アポトーシス時のDNA、赤血球前駆細胞から脱核したDNAが効率よく分解されなければ、マクロファージにDNAが蓄積し、これにより自然免疫が活性化され、それによって放出されるインターフェロンによりマウスは発生途中に死滅することも明らかになった。一方、死細胞のDNAがマクロファージによって貪食されることを利用してアポトーシス細胞の貪食をAssayする系を樹立し、これに関与する分子(MFG-E8)を同定した。この因子はアポトーシス細胞の表面に暴露されるリン脂質phosphatidylserineを認識しアポトーシス細胞をマクロファージに橋渡しすると考えられる。ついで、この因子の遺伝子を欠損するマウスを樹立し、このマウスは脾臓胚中心でのアポトーシス細胞の貪食が効率よく起こらず、これにより自己免疫疾患を発症することを見出した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-12219213
ID情報
  • 課題番号 : 12219213
  • 体系的課題番号 : JP12219213