2000年 - 2002年
カルシニューリンによる興奮性神経細胞死制御機構の解明と新しい脳保護薬の創出
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(B)) 基盤研究(B)
Ca2+イオンによって制御を受ける脱リン酸化酵素カルシニューリンによる神経細胞死の制御メカニズムを解明し、さらにこれを利用した新しい脳保護薬を創出した。得られた成果は以下のとおりである。
1)これまで独立した経路と考えられてきたカルシニューリン系とカルパイン(Ca^<2+>イオンにより活性制御を受けるプロテアーゼ)系の間にクロストークがあることを初めて明らかにした。
2)このクロストークは脳虚血後の神経細胞死のモデルである興奮性神経細胞死において重要な働きをする事を明らかにした。
3)カルシニューリンの触媒サブユニットAはカルパインによって三カ所で切断され57Kda、48Kda、45Kdaの三種類のC末端欠失産物を生じる。57KdaはCa2+/カルモデュリンによる活性被制御能を保持しているが、48Kda、45Kdaの産物は構成的活性型である。
4)海馬ならびに皮質の初代培養細胞をグルタミン酸あるいはカイニン酸で短時間刺激(15分)するとカルシニューリンAの分解産物が産生され刺激後3時間程度で最大となり24時間以上持続して存在する。
5)マウスの海馬興奮性神経細胞死モデルでも構成的活性型のカルシニューリンが産生された。
6)構成的活性型のカルシニューリンAを海馬の培養神経細胞に発現させるとカイニン酸やグルタミン酸などの刺激を加えなくても、カスパーゼ3の活性が上昇し、Tune1陽...
1)これまで独立した経路と考えられてきたカルシニューリン系とカルパイン(Ca^<2+>イオンにより活性制御を受けるプロテアーゼ)系の間にクロストークがあることを初めて明らかにした。
2)このクロストークは脳虚血後の神経細胞死のモデルである興奮性神経細胞死において重要な働きをする事を明らかにした。
3)カルシニューリンの触媒サブユニットAはカルパインによって三カ所で切断され57Kda、48Kda、45Kdaの三種類のC末端欠失産物を生じる。57KdaはCa2+/カルモデュリンによる活性被制御能を保持しているが、48Kda、45Kdaの産物は構成的活性型である。
4)海馬ならびに皮質の初代培養細胞をグルタミン酸あるいはカイニン酸で短時間刺激(15分)するとカルシニューリンAの分解産物が産生され刺激後3時間程度で最大となり24時間以上持続して存在する。
5)マウスの海馬興奮性神経細胞死モデルでも構成的活性型のカルシニューリンが産生された。
6)構成的活性型のカルシニューリンAを海馬の培養神経細胞に発現させるとカイニン酸やグルタミン酸などの刺激を加えなくても、カスパーゼ3の活性が上昇し、Tune1陽...
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 12557116
- 体系的課題番号 : JP12557116