共同研究・競争的資金等の研究課題

2002年 - 2003年

バソプレシンの生合成機構に関する研究

文部科学省  科学研究費補助金(基盤研究(C))  基盤研究(C)

課題番号
14570059
体系的課題番号
JP14570059
資金種別
競争的資金

研究代表者はCa^<2+>/カルモデュリン依存性キナーゼIIIに注目して実験研究を始めた。この酵素はElongation Factor2(EF2)をその唯一の基質とする。EF2はmRNAに結合したリボゾームを移動させ、ペプチド鎖を伸長させるモータータンパク質である。EF2がリン酸化されると、mRNAからの翻訳が止まると報告されている。しかし、最近になって、リン酸化されることによって、かえって合成が増すタンパク質が存在することが培養神経細胞で発見された。
これまでに研究代表者は次のことを明らかとしてきた。1、室傍核と視索上核の神経細胞群が生理的条件下で特異的にリン酸化型EF2を持つ。また、小脳Purkinje細胞や小脳核にもリン酸化型EF2が存在する。2、これらの神経核においてリン酸化型EF2がバソプレシン、あるいはオキシトシンと共存する。3、ラットに高浸透圧刺激を与え、血中バソプレシンの上昇を惹起させると。これらの神経核で、リン酸化型EF2が増加する。しかしこの刺激は小脳のリン酸化型EF2を増加させない。4、脱リン酸化型EF2とCa2+/カルモデュリン依存性キナーゼIIIは脳内に普遍的に存在する。5、リン酸化型EF2の働きを模倣するシクロヘキサマイドを投与すると、生理的条件下で、血中バソプレシンが増加した。
これらの結果は、高浸透圧刺激に応答するバソプレシン合成の増加にはmR...

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/p/14570059
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-14570059
ID情報
  • 課題番号 : 14570059
  • 体系的課題番号 : JP14570059