2017年
考え込み方略の有無と刺激の感情価による検索誘導性忘却の差異の検討
認知療法研究
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- 巻
- 10
- 号
- 1
- 開始ページ
- 45
- 終了ページ
- 53
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 日本認知療法・認知行動療法学会
本研究の目的は、考え込み方略の有無による感情状態の差異と、考え込み方略の有無と刺激の感情価による検索誘導性忘却の差異を検討することであった。健康な大学生・大学院生40名を対象に、実験群と統制群に無作為に割り付け、検索経験パラダイムと質問紙調査を実施した。検索経験パラダイムでは、テスト段階における正再生率を測定した。本研究の結果から、考え込み方略は感情状態を悪化させ、その影響は部分的に持続することが示された。加えて、刺激の感情価に関わらず、考え込み方略あり群では検索誘導性忘却が生起しないが、なし群では検索誘導性忘却が生起することが示された。本結果をふまえ、表象の活性化と抑制説における統合的処理の観点から、考え込み方略による感情状態の悪化が持続する要因と、考え込み方略による記憶検索の阻害要因について考察された。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 1883-2296