2006年 - 2007年
タウ蛋白機能を制御する活性複合体を介した認知症脳神経細胞変性の病態解析
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(C)) 基盤研究(C)
本研究課題では、アルツハイマー病をはじめとする変性性認知症の神経細胞変性・神経細胞死の背景に直接関連すると考えられているタウ蛋白代謝異常の病態を、タウ蛋白機能に影響するリン酸化状態を調節する複数の蛋白リン酸化酵素や脱リン酸化酵素と、あるいは細胞内輸送関連蛋白等それら酵素の関連分子と会合する巨大scaffold分子との相互作用の視点から解析した。
巨大な細胞内Centrosomal and Golgi PKN anchoring protein (CG-NAP)分子あるいは類似構造をもちCG-NAPと複合体を形成するkendrin分子と、複数の蛋白リン酸化酵素・蛋白脱リン酸化酵素、アクチン・タウ分子など細胞骨格関連分子、細胞内輸送関連分子との細胞内相互作用を、高感度免疫組織化学法を用いて形態学的に解析した結果、認知症ヒト脳組織において神経原線維変化(タングル)にはCG-NAPのみが異常リン酸化タウ蛋白と共存し、kendrinは認められなかった。このことは、タングル形成と微小管による細胞内輸送機構との関連に示唆を与えた。加えて、蛋白脱リン酸化酵素の活性調節や細胞内蛋白の高次構造調節・会合・輸送等への関与が知られ、アミロイドAβ蛋白の細抱内ドメインに結合するFKBP12とタングルとの関連を明らかにした。また、Aβ可溶性オリゴマーによって惹起される神経細胞死過程への関与が判明しつつあ...
巨大な細胞内Centrosomal and Golgi PKN anchoring protein (CG-NAP)分子あるいは類似構造をもちCG-NAPと複合体を形成するkendrin分子と、複数の蛋白リン酸化酵素・蛋白脱リン酸化酵素、アクチン・タウ分子など細胞骨格関連分子、細胞内輸送関連分子との細胞内相互作用を、高感度免疫組織化学法を用いて形態学的に解析した結果、認知症ヒト脳組織において神経原線維変化(タングル)にはCG-NAPのみが異常リン酸化タウ蛋白と共存し、kendrinは認められなかった。このことは、タングル形成と微小管による細胞内輸送機構との関連に示唆を与えた。加えて、蛋白脱リン酸化酵素の活性調節や細胞内蛋白の高次構造調節・会合・輸送等への関与が知られ、アミロイドAβ蛋白の細抱内ドメインに結合するFKBP12とタングルとの関連を明らかにした。また、Aβ可溶性オリゴマーによって惹起される神経細胞死過程への関与が判明しつつあ...
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- 課題番号 : 18590939
- 体系的課題番号 : JP18590939