共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

Gut microbiotaの制御が脳虚血病巣進展および神経機能に及ぼす影響

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
17K01477
配分額
(総額)
4,550,000円
(直接経費)
3,500,000円
(間接経費)
1,050,000円
資金種別
競争的資金

Liらの報告(Immunity.2015;43:527)に基づき C57BL/6Jマウスに対して抗生物質の混合含有水投与を行い14日間投与を続けた。本学動物実験規程に基づき、総頸動脈からシリコンコートした塞栓糸を挿入して中大脳動脈内を閉塞、 60分後に塞栓糸を抜去し、急性脳梗塞モデルとした(中大脳動脈閉塞術(MCAO モデル))。脳梗塞モデルで抗生物質投与の有無により、腸管免疫担当細胞を解析した。脳梗塞については、同様に24時間後、72時間後に解析する予定であった。しかしながら、60分モデルではモデルが安定せず、マウス死亡率が高いため、実験としての再現性が問題と考え、45分虚血にて行った。これにより生存率が安定し、実験としての継続可能と判断に至った。TTC染色を行い、TTC染色で染色されない梗塞巣を両群間で比較した。このとき、皮質領域、基底核領域については各々測定した。また、同時に脳浮腫率も測定した。さらに、脳虚血前および24時間後、72時間後に神経学的スコアを計測し、両群間で比較した。なお、脳浮腫率は脳浮腫率(%)=〔虚血半球-対側半球〕×100/対側半球で計算した。結果として、1)平均の飲水量は両群ともに一日6mLで有意差を認めなかった。2)抗生物質投与14日間でマウスの体調に変化は認めず、死亡例はなかった。3)虚血後24時間の梗塞サイズにおいて、健常側比にて皮質、基底核および全脳いずれにおいてもvehicle群と抗生物質投与群に統計学的有意差を認めず、脳浮腫率においても、両群間で有意差を認めなかった。4)虚血後72時間の梗塞サイズにおいて、健常側比にて皮質および全脳においてvehicle群と抗生物質投与群に統計学的有意差を認めた。脳浮腫率においては両群間で有意差を認めなかった。血清中および腸管組織に対して各種サイトカイン、HMGB1などを測定していく予定である。

ID情報
  • 課題番号 : 17K01477