共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

枯渇力によるジアリールエテン超分子構造体の階層的組織化と光駆動運動

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K05400
体系的課題番号
JP19K05400
配分額
(総額)
4,030,000円
(直接経費)
3,100,000円
(間接経費)
930,000円

当該研究で用いているジアリールエテン超分子構造体は、トリエチレングリコール鎖を側鎖に有する両親媒性ジアリールエテンからなり、LCST(下限臨界溶液温度=低温で水溶性が増す現象)転移を光誘起することで超分子構造体が形態変化する。一般にマイクロメートルサイズでの光誘起形態変化は分裂を伴うために不可逆であることが多い。我々の過去の研究において、枯渇力を作用下させるとファイバー状の超分子構造体同士が配向を揃えて凝集するため、光可逆な形態変化を実現できることを見出した。なお枯渇力とは、コロイド粒子が高分子溶液中に分散しているときに作用する引力のことで、疎水性相互作用と同様の性質を有するが、疎水性相互作用が主として分子サイズで作用するのに対し、枯渇力は数百ナノ~数百マイクロメートルサイズで作用する点が異なる。本研究では、ファイバー以外の様々な形状の超分子構造体を用いた検討を行っている最中である。
シート状の超分子構造体を得て、枯渇力の作用下における形態変化を観察した。まず枯渇力が無い場合、ナノ形状はシート状~房状でありながらマイクロ形状としてはほとんどの場合丸まっていた。これはナノシートとベシクルの関係とほぼ同じであり、表面張力に由来した現象であり、マイクロ形状がシート状の物はほぼ得られなかった。一方で枯渇力の作用下においては、シート状の物が多量に得られた。光に対する応答性も残していたことから、簡便に大量のマイクロシートを得る方法として利用可能と考えられる。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K05400
ID情報
  • 課題番号 : 19K05400
  • 体系的課題番号 : JP19K05400