共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

古代エジプトの葬祭文学研究-木棺資料への文献学・考古学的アプローチから-

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
20J00207
体系的課題番号
JP20J00207
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
2,860,000円
(直接経費)
2,200,000円
(間接経費)
660,000円

文献学と考古学の視点に基づく複合的な葬祭文学研究の実現を目的とし、初年度に引き続き、金沢大学を拠点として本研究課題に必要なエジプト考古学の学理と知見の理解を深化させた。受入研究者の指導の下、近年の考古学の成果や古代エジプト文化史研究における考古学的な研究手法の有効性を主体的に学び、本研究への具体的な形での応用を目指した。その結果、本研究の主たる研究対象である『コフィン・テキスト』の内容の複合的な分析による理解を深化させ、古代エジプトにおけるマアトの解釈を巡る学術論文の中で、同史料の内容をめぐる新たな解釈の可能性を提示した(肥後時尚:「古代エジプトの「二柱のマアト」-概念の変遷とその実体をめぐって-」、『史林』、第104巻第3号、pp.1-32)。
また、本研究で得た葬祭文学の複合的視点に基づく分析方法を応用し、本年度には新たに古代エジプトの新王国時代に制作された『死者の書』を分析対象とする研究に着手した。特に当時の来世思想を示す「死者の裁判」が描写された『死者の書』第125章の内容に焦点を置き、同場面に登場する冥界の裁判官の神々の性質について、文献学・図像学的な観点から考察を行った。テキストの分析に加え、写本上の図像表現・制作時期・制作地の差異と併せて考察することで、古代エジプト新王国時代第18王朝時代における「死者の裁判」に登場する裁判官の神々の姿の一端を明らかにした。さらに、研究の成果を国内外の学会の場で発表し、葬祭文学のさらなる内容理解を目的とする議論を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20J00207
ID情報
  • 課題番号 : 20J00207
  • 体系的課題番号 : JP20J00207

この研究課題の成果一覧

論文

  2

講演・口頭発表等

  8

社会貢献活動

  5