共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

全ゲノム配列を用いたトキソプラズマ分子疫学情報の解明と病原性関連遺伝子の同定

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K07520
体系的課題番号
JP19K07520
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

日和見感染症のトキソプラズマ症は細胞内寄生原虫であるトキソプラズマの感染により引き起こされ、全世界の約三分の一がこの原虫に感染している。トキソプラズマ症は人獣共通寄生虫症であり、世界的に新株や強毒株、薬剤耐性株の存在が判明している。しかし、島国である本邦におけるヒトに感染するトキソプラズマに関する分子疫学情報(遺伝子型・全ゲノム配列・病原性・薬剤耐性の原因変異等)は未解明のまま残されている。
この研究の目的は、本邦におけるトキソプラズマ症の分子疫学情報を整備し、さらに病歴情報と照合することで病原性に関与する株間の遺伝子変異を特定することにある。今年度の実績を以下に列記する。
1.トキソプラズマ患者から分離した株をインターフェロンガンマノックアウトマウス由来胎児繊維芽細胞やベロ細胞に接種し限界希釈法でトキソプラズマのクローンを2株作成した。
2.全国からトキソプラズマ症の診断目的で送付されてきた臨床検体(羊水、髄液、末梢血、脳組織、臍帯、等)から、DNAを抽出しPCR法でトキソプラズマ遺伝子が陽性と判断された検体をインターフェロンガンマノックアウトマウスの腹腔内や経口的に感染させ、株の樹立を図った。
3.過去にPCR法でトキソプラズマ陽性と判断された臨床検体を順次、各種のプライマーを使用して遺伝子型の分析をしている。さらにそれらの遺伝子型と病歴・臨床経過を比較・照合し、病原性に関与する遺伝子情報の研究基盤を構築しつつある。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K07520
ID情報
  • 課題番号 : 19K07520
  • 体系的課題番号 : JP19K07520