MISC

2017年11月

食道癌術後の進行胃管癌に対する胃管幽門側胃切除術の1例

癌と化学療法
  • 幕谷 悠介
  • 白石 治
  • 岩間 密
  • 平木 洋子
  • 加藤 寛章
  • 安田 篤
  • 新海 政幸
  • 今野 元博
  • 木村 豊
  • 今本 治彦
  • 安田 卓司
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44
12
開始ページ
1577
終了ページ
1579
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)癌と化学療法社

症例は76歳、男性。69歳時に胸部食道癌に対し右開胸食道亜全摘術、胸骨後経路胃管再建術を施行され、術中に心室細動から心停止を来した既往があった。今回、上部消化管内視鏡検査にて再建胃管幽門前庭部小彎の3型胃管癌(中分化型腺癌、cT2N0M0、cStage IIA)と診断された。高度のるい痩(BMI 15kg/m2)があり、間質性肺炎に対するステロイドの長期間の内服、前回手術時の心停止の既往があり、胸骨縦切開胃管全摘術を行うにはリスクが極めて高いと判断した。そのため胃管幽門側部分切除術とし、#4d、#6リンパ節は右胃大網動静脈をすだれ状に郭清し口側胃管への血流を温存、右胃動脈は切離し、#5リンパ節を郭清して病巣を摘出した。周術期に合併症はなく、術後40日目に退院となった。予備力の非常に乏しい患者には、根治性と安全性のバランスを考慮した本術式の選択が有用であったと考えられる。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0385-0684
  • 医中誌Web ID : RC21480177

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