2012年 - 2014年
ヒト均衡型相互転座を作り出す染色体切断端の近接機構の解明
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(C)) 基盤研究(C)
- 課題番号
- 24501307
- 体系的課題番号
- JP24501307
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
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- (総額)
- 5,200,000円
- (直接経費)
- 4,000,000円
- (間接経費)
- 1,200,000円
- 資金種別
- 競争的資金
がんや生殖細胞系列で見つかる染色体相互転座は、2つの染色体切断末端が元通りに修復されずに、異なる染色体どうしで間違って再結合することにより形成される。しかしなぜ物理的に遠位にある可能性のある2つの染色体どうしが再結合されるのか?あるいはDNA断端を近接させる未知のしくみが存在するのか?そこで本研究では、高頻度に発生する生殖細胞系列の相互転座t(11;22)を例に、染色体上の特殊なDNA配列あるいはDNA高次構造(non-B型DNA)が、切断を引き起こし、生体内で再結合されるまでの一連の機構を手がかりに、従来のDNA修復機構だけでは説明出来ない、体細胞系列あるいは生殖細胞系列の染色体相互転座の新しい発生機構を明らかにすることを目的とする。本年度は、導入DNAの構築およびLive Imageで観察できるかどうかを検討した。転座を誘発するヒトのパリンドローム配列(PATRR)を蛍光タンパク質遺伝子の結合配列に隣接して配置し、発現タンパク質が遺伝子導入の正否、およびパリンドローム配列の核内局在の両者に対するモニターとして機能するかを検討した。また、遺伝子導入については従来のトランスジェニックメダカ作製および減数分裂細胞のin vitro培養でのtransfectionの2種類について検討した。次年度も様々なパラメータについて検討予定である。一方、ヒト細胞におけるパリンドロームを介した染色体転座のモデル系にて、その発生機序および関与する遺伝子群を同定した成果に関した論文を、Nature Comm.にて報告した。ArtemisおよびGEN1など、発がんにも関わる重要な遺伝子群がこのパリンドロームの高次構造を誤認識して切断するメカニズムとして明らかになった事実は、現在の研究の進展に役立つのみならず、将来的には転座発生の予防を見据える上で重要な知見であり、新聞等にも掲載された。
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- ID情報
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- 課題番号 : 24501307
- 体系的課題番号 : JP24501307