2020年9月 - 2024年3月
加工食品を対象とした残留抗生物質分析法の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
2021年度は調理加工に伴う抗菌性物質の加工係数評価に着手した。8種抗菌性物質を注射した模擬残留試料およびオキシテトラサイクリン実残留試料を用いて、茹で加工/揚げ加工時の加工係数を評価した。検討の結果、以下のことが明らかになった。
1. 注射により模擬残留試料の確保を試みたところ、十分に対象8物質を保持する試料を調製することができた。2. 茹で加工/揚げ加工による加工係数は物質間および加工条件間において差異が認められた。3. 茹で加工においては水溶性の高い物質が減少しすく、揚げ加工においては脂溶性の高い物質が減少しやすいことが分かった。4. オキシテトラサイクリンについて模擬残留試料と実残留試料で加工係数を比較したところ、両試料間において類似した値が認められた。
これまで報告されている農作物中農薬の加工係数に関する研究においても、茹で加工では水溶性の高い農薬の減少が認められ、また揚げ加工では脂溶性の高い農薬に顕著な現象が確認されている。これは本研究で得られた知見と一致している。これらの知見より、調理加工に伴う加工係数と化合物の物理化学的性状の間にある関係は農薬および抗菌性物質に共通して存在すると考えられた。これまで農作物中農薬について、模擬残留試料と実残留試料の加工係数を比較した例でも概ね同等の加工係数が認められている。こうした模擬残留試料を用いた加工係数評価は、簡易的に加工係数を評価するために有用な方法であると考えられた。今後は実残留試料を更に収集し、更なる加工係数評価を実施していく予定である。抗菌性物質の加工係数に関与する性状が明らかになれば、加工食品を対象とした残留抗菌性物質の検査を実施するうえで有用な知見となる。
1. 注射により模擬残留試料の確保を試みたところ、十分に対象8物質を保持する試料を調製することができた。2. 茹で加工/揚げ加工による加工係数は物質間および加工条件間において差異が認められた。3. 茹で加工においては水溶性の高い物質が減少しすく、揚げ加工においては脂溶性の高い物質が減少しやすいことが分かった。4. オキシテトラサイクリンについて模擬残留試料と実残留試料で加工係数を比較したところ、両試料間において類似した値が認められた。
これまで報告されている農作物中農薬の加工係数に関する研究においても、茹で加工では水溶性の高い農薬の減少が認められ、また揚げ加工では脂溶性の高い農薬に顕著な現象が確認されている。これは本研究で得られた知見と一致している。これらの知見より、調理加工に伴う加工係数と化合物の物理化学的性状の間にある関係は農薬および抗菌性物質に共通して存在すると考えられた。これまで農作物中農薬について、模擬残留試料と実残留試料の加工係数を比較した例でも概ね同等の加工係数が認められている。こうした模擬残留試料を用いた加工係数評価は、簡易的に加工係数を評価するために有用な方法であると考えられた。今後は実残留試料を更に収集し、更なる加工係数評価を実施していく予定である。抗菌性物質の加工係数に関与する性状が明らかになれば、加工食品を対象とした残留抗菌性物質の検査を実施するうえで有用な知見となる。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K23248
- 体系的課題番号 : JP20K23248
この研究課題の成果一覧
絞り込み
受賞
5論文
7-
大阪府獣医師会報 74 7-10 2023年12月 査読有り筆頭著者責任著者
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日本食品化学学会誌 30(3) 178-183 2023年12月 査読有り筆頭著者責任著者
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日本食品化学学会誌 30(1) 37-42 2023年4月 査読有り筆頭著者責任著者
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日本食品化学学会誌 30(1) 23-28 2023年4月 査読有り筆頭著者責任著者
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大阪健康安全基盤研究所研究年報 6 91-103 2022年 査読有り
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大阪健康安全基盤研究所研究年報 6(6) 83-90 2022年 査読有り筆頭著者責任著者
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日本食品化学学会誌 28(3) 138-145 2021年12月 査読有り筆頭著者責任著者
講演・口頭発表等
12-
日本雑草学会第63回大会 2024年3月28日
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日本農薬学会第49回大会 2024年3月15日
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第6回日本食品衛生学会・近畿地区勉強会 2024年3月1日
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第119回日本食品衛生学会・学術講演会 2023年10月12日
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令和5年度日本獣医公衆衛生学会(近畿) 2023年9月17日
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日本食品化学学会 第29回学術大会 2023年6月8日
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第5回日本食品衛生学会・近畿地区勉強会 2023年2月24日
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令和4年度日本獣医公衆衛生学会(近畿) 2022年8月21日
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日本食品化学学会 第28回学術大会 2022年5月19日
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第58回全国衛生化学技術協議会年会 2021年11月