2017年4月 - 2020年3月
固体天体地下探査用ミュオグラフィを搭載した移動ロボットの開発と実証的研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
太陽系固体天体探査において、浅部地下構造は今後極めて重要な探査対象となる。地下構造の理解には密度構造の把握が決定的に重要であるため、これを直接的に計測できるミュオグラフィ技術は惑星探査にとって魅力的である。そこで既に実用化されている高速大型のミュオグラフィ装置の超小型化となるプラスチックシンチレーターをPMT (Photomultiplier Tube)と組み合わせたタイプのものと、核医学イメージング技術を応用したプラスチックシンチレーターとMPPC (Multi-Pixel Photon Counter) を組み合わせたタイプの、2種類の原理検証機を作成した。
<BR>
前者はディテクター自体は5.2cm x 5.2cm x 6.5cmとミュオグラフィ装置としては極めて小型化されているが、装置全体としては新規で作成した小型高圧電源装置とオシロスコープを組み合わせる必要がある。後者は64チャンネルのSiPMを用いてdynamic Time-Over-Threshold (dTOT)ボードを利用してdata-acquisition DAQボードで読み出すというもので、ディテクターの大きさが約2.6cm x 2.6cm x 3.1cmであることもあり省電力かつ小型化に成功している。
<BR>
前者の検出装置は2台製作し、それぞれの向きや距離を変え、さらに低エネルギーの粒子による誤検出を排除するために鉛板を利用した。その結果、既に知られている地上での鉛直ミュオン強度などと比較しても調和的な検出効率を達成できていることが確認され、原理実証機の作成としての目的は達せられた。なおシンチレーターは指向性を出すために細長い形状のものを用いているが、シンチレーターの形状で指向性を出したものは今回作成したミュオグラフィ装置が世界で初めてのものとなった。
<BR>
前者はディテクター自体は5.2cm x 5.2cm x 6.5cmとミュオグラフィ装置としては極めて小型化されているが、装置全体としては新規で作成した小型高圧電源装置とオシロスコープを組み合わせる必要がある。後者は64チャンネルのSiPMを用いてdynamic Time-Over-Threshold (dTOT)ボードを利用してdata-acquisition DAQボードで読み出すというもので、ディテクターの大きさが約2.6cm x 2.6cm x 3.1cmであることもあり省電力かつ小型化に成功している。
<BR>
前者の検出装置は2台製作し、それぞれの向きや距離を変え、さらに低エネルギーの粒子による誤検出を排除するために鉛板を利用した。その結果、既に知られている地上での鉛直ミュオン強度などと比較しても調和的な検出効率を達成できていることが確認され、原理実証機の作成としての目的は達せられた。なおシンチレーターは指向性を出すために細長い形状のものを用いているが、シンチレーターの形状で指向性を出したものは今回作成したミュオグラフィ装置が世界で初めてのものとなった。
- ID情報
-
- 課題番号 : 17H02953
- 体系的課題番号 : JP17H02953