共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

コンパクト連星合体からの重力波偏極モード探査による強重力場での重力理論検証

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
21J01383
体系的課題番号
JP21J01383
配分額
(総額)
3,640,000円
(直接経費)
2,800,000円
(間接経費)
840,000円

本研究は重力波の偏極モード探査によって重力理論を検証することを目的としている。これまでのコンパクト連星合体からの重力波を用いた検証では、テンソル、ベクトル、スカラーモードが別々に探査されてきた。しかし、実際の拡張重力理論では、重力波はテンソル・非テンソルモードの混合になっているため、このような純粋な偏極モード探査では現実の拡張重力理論を検証することはできない。そこで我々は混合した偏極モードを、適切にパラメータ化した波形モデルを用いて探査することで、 より現実的な重力理論や重力現象の検証を進めている。特にスカラーテンソル理論などの基本的な拡張重力理論には追加のスカラーモードの存在を予言するものがある。双極子放射スカラーモード、四重極子放射スカラーモードとテンソルモードから成る偏極モードモデルを余分なエネルギー損失による連星軌道運動の補正を考慮して構築した。この波形モデルを用いて実データをベイズ推定することで、GW170814とGW170817に対して初めて一般相対性理論と無矛盾な強重力場域における付加的なスカラーモードの振幅への制限を与えた。また、コンパクト連星合体からの重力波偏極モード探査における重ね合わせの原理検証を実施した。現在はより一般的なモデルの構築のために結合エネルギーの補正とストレス・エネルギーテンソルの修正を考慮した生成過程のスカラーテンソル偏極モード波形の構築を進めている。さらに、これまでの生成過程における重力波偏極モード探査を発展させ、重力波の伝播過程における偏極モード探査検証の定式化を進めている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21J01383
ID情報
  • 課題番号 : 21J01383
  • 体系的課題番号 : JP21J01383