2016年4月 - 2020年3月
海外移住する日本人家族の「スーパー・リッチ・フライト」と教育戦略に関する比較考察
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
本調査は、アメリカのハワイやマレーシアのジョホールバル周辺に移住して欧米系の学校へ子どもを送る日本人富裕層家族 の教育戦略を質的に考察し、格差社会と呼ばれる中でグローバルな社会階層において教育達成と地位形成を行っている仮説を検証することを目的としている。
本年度は国内での学会発表(日本教育社会学会)を1回行い(トロントで実施される世界社会学会に参加予定であったが家庭の事情でキャンセルした)、本研究の内容に関連する2本の論文の執筆に取り組んだ。成果は4点である。
第1に、昨年度に引き続き、移住者だけでなく駐在員の家族へのインタビューを実施した。駐在員家族へのインタビューを通じて、移住者の特徴がより明確になった。
第2に、学会発表を通じて、家族の移住動機と教育戦略のパターンについて有益なコメントをもらうことができた。
第3に、論文執筆の過程で「移動格差」についてより深い考察が必要となるという考えに至った。特に、海外では近年「国際移動」、「不平等」、「社会階層」の領域交錯についての論文が注目されているため、最終年度はこれらの論文を参照しながら「移動格差」の概念の精緻化をすすめていきたい。
第4に、執筆活動を通じて「多様なグローバル型能力」と「グローバル・コンピテンシー」という概念が本研究の中心概念になりうるという感触を得た。既存のグローバル化における能力観の議論に照らし合わせながらこれらの概念を使ったデータの分析を行いたい。
本年度は国内での学会発表(日本教育社会学会)を1回行い(トロントで実施される世界社会学会に参加予定であったが家庭の事情でキャンセルした)、本研究の内容に関連する2本の論文の執筆に取り組んだ。成果は4点である。
第1に、昨年度に引き続き、移住者だけでなく駐在員の家族へのインタビューを実施した。駐在員家族へのインタビューを通じて、移住者の特徴がより明確になった。
第2に、学会発表を通じて、家族の移住動機と教育戦略のパターンについて有益なコメントをもらうことができた。
第3に、論文執筆の過程で「移動格差」についてより深い考察が必要となるという考えに至った。特に、海外では近年「国際移動」、「不平等」、「社会階層」の領域交錯についての論文が注目されているため、最終年度はこれらの論文を参照しながら「移動格差」の概念の精緻化をすすめていきたい。
第4に、執筆活動を通じて「多様なグローバル型能力」と「グローバル・コンピテンシー」という概念が本研究の中心概念になりうるという感触を得た。既存のグローバル化における能力観の議論に照らし合わせながらこれらの概念を使ったデータの分析を行いたい。
- ID情報
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- 課題番号 : 16K17411
- 体系的課題番号 : JP16K17411
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
1-
Handbook on Gender in Asia 305-322 2020年7月15日 査読有り招待有り
書籍等出版物
1-
Edward Elgar Pubulication 2020年7月