論文

2020年

覚醒下非拘束ラットから血中酸素飽和度・心拍数・呼吸数を計測可能なウエアラブルパルスオキシメーターの開発

日本毒性学会学術年会
  • 大久保 佑亮
  • ,
  • 嘉本 海大
  • ,
  • 高橋 祐次
  • ,
  • 北嶋 聡
  • ,
  • 太田 裕貴

47
開始ページ
O
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4
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)
DOI
10.14869/toxpt.47.1.0_O-4
出版者・発行元
日本毒性学会

<p>【背景】</p><p> 覚醒下非拘束による経時的なバイタルサイン(VS)測定は、医薬品開発における安全性薬理試験で既に実現されているが、一般の化学物質を対象とした毒性試験においては実施されていない。VSに代わるものとして一般状態があげられるが、定性的な情報であるがゆえ習熟には多くの経験を要し、また、定点観測に留まっている。近年、人の医療においては、情報技術の革新によりウエアラブル測定機器(WD)が開発され、経時的なVS測定の取得が容易となり、診断の妥当性を向上させている。我々はラットを用いた毒性試験においても、人と同様のWDを用いた経時的かつ定量的データにより毒性評価の精緻化と供与動物数及び経費の削減が両立できると考えた。しかしながら、ラットはヒトに比べ非常に小型であり非観血的に装着するWDの開発が困難であること、覚醒下非拘束条件においては体動の影響が大きくデータの信頼性に課題があることなどから、その開発は現実的ではなかった。我々は、これまでの研究で開発してきた小型化技術と情報処理技術を応用することでこれら課題の解決策を見出した。</p><p>【目的】</p><p> ラットを対象に非観血的に装着可能なウエアラブルパルスオキシメーターを開発し、血中酸素飽和度(SpO2)、心拍数を経時的に測定する。さらに、脈波の解析により、VSの構成要素である、呼吸数を抽出するプログラムを開発する。また、覚醒下非拘束ラットからデータを取得するため、機器の小型化と無線化に取り組み、ネットワークを介して経時的なVSの取得を目指す。</p><p>【結果】</p><p> 反射式のパルスオキシメーターをラット用に改良し、機器の小型化・Bluetoothによる無線化に成功した。雌性SDラットにイソフルラン麻酔下にて機器を装着し、覚醒後にデータの取得を試みた。その結果、覚醒下非拘条件下において、安定的にSpO2の測定が可能であり、心拍数並びに呼吸数の計測に成功した。</p>

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.14869/toxpt.47.1.0_O-4
URL
https://ci.nii.ac.jp/naid/130007898247
ID情報
  • DOI : 10.14869/toxpt.47.1.0_O-4

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