共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2022年3月

ゲノム情報を用いたハブ毒タンパク質の包括的多様性および進化過程の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
18H02498
体系的課題番号
JP18H02498
配分額
(総額)
17,290,000円
(直接経費)
13,300,000円
(間接経費)
3,990,000円

本研究計画では、日本産ハブ属3種の毒液タンパク質遺伝子の塩基配列多様性の大規模検出(計画1)と毒液タンパク質のオミクス解析(計画2)を行い、ハブの毒液タンパク質の多様性とその進化過程の解明を解明することを目的としている。
計画1については、昨年度に引き続き、毒液タンパク質セット50遺伝子と非毒型パラログ12個についてのシークエンスを進めている。毒液タンパク質遺伝子には多数のパラログが存在し、パラログ間では加速的な遺伝子分化がおこっていることが既にわかっていたが、各オルソログは集団間での多様性が低く、個々のオルスログには進化的制約が強くかかっていることがわかってきた。毒液タンパク質遺伝子セットとの比較対象としてミトコンドリアDNAの配列決定とデータ収集を進めた。先行研究(2013-15年度基盤C)で、多型性の特に高い領域として選定した5kbを対象に、11島からの計107個体についての変異情報を取得している。
また計画2の研究協力者から提供を受けた個体を合わせて、合計9島からの計46個体から、筋肉組織、毒腺、毒液を採取した。このうち35個体については、毒腺からのRNA抽出を完了しており、RNAシークエンスを進めている。また、毒液のプロテオーム解析については、研究分担者(東北大学・小川智久)が進めており、これまでに12個体分を完了している。計画2の本年度までの解析から、毒腺での遺伝子発現パターンおよび毒液タンパク質プロテームについては、集団間の差異に加えて、集団内部の個体差も非常に大きいことがわかってきた。
一方、久米島と伊平屋島での追加の採集を予定していたが、新型肺炎の流行などで研究協力者の都合がつかず、今年度も行うことができなかった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H02498
ID情報
  • 課題番号 : 18H02498
  • 体系的課題番号 : JP18H02498