共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2025年3月

スコットランド常識学派からプラグマティズムへ―英米思想における常識哲学の研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H01181
体系的課題番号
JP20H01181
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
16,510,000円
(直接経費)
12,700,000円
(間接経費)
3,810,000円

2021年度は本研究プロジェクトの参加者が、それぞれの基礎的研究を継続し、学会発表や論文の公表を行うとともに、オンライン形式で「常識と啓蒙研究会」を開催し、その研究成果を共有し、議論することができた。また、研究会には関連分野の研究者を講師として招くことで、研究をより多角的に深めることもできた。具体的には、(1)ウィトゲンシュタイン哲学における「常識」と倫理の関係に関する分析、特に『論理哲学論考』を中心とした前期ウィトゲンシュタイン哲学におけるその展開の検討、(2)偶然性と常識の関係に関する哲学的検討、(3)アダム・スミス、エドマンド・バーク、ジョン・デューイ、モンテスキューなど、本研究プロジェクトが主題としているスコットランド常識学派からプラグマティズムに到る哲学史、思想史と近接する重要な哲学者、思想家の見解の検討、(4)ウィトゲンシュタイン哲学とパフォーマンス心理学の関係の検討を通した常識と創造性の関係についての研究、などを行うことができた。それにより、(i)常識哲学やプラグマティズムとの関係が深いウィトゲンシュタインの後期哲学の前提としての前期哲学に対する理解が深まり、また(ii)近現代の英語圏の常識哲学の位置づけを純粋な哲学的テキストの分析だけでなく、政治経済思想、歴史思想、などの複数の視点から分析することの必要性が改めて確認された。更には(iii)後期ウィトゲンシュタイン哲学のような常識を重視する哲学が創造性というものを否定するものではなく、むしろ、創造性の基盤として「常識」を構成する実践なども位置付けることができるということも明らかになった。その他、研究上のポイントとして「常識的実在論(common sense realism)」という観念を哲学史、思想史的研究を背景として、その現代的意義を明らかにするという点を確認することができた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H01181
ID情報
  • 課題番号 : 20H01181
  • 体系的課題番号 : JP20H01181

この研究課題の成果一覧

論文

  5

MISC

  6

書籍等出版物

  7

講演・口頭発表等

  7

学術貢献活動

  1
  • 企画立案・運営等, パネル司会・セッションチェア等
    日本倫理学会 (神奈川大学みなとみらいキャンパス、神奈川県) 2023年10月1日