基本情報

所属
早稲田大学 先進理工学部 電気・情報生命工学科 教授
学位
博士(理学)(東京大学)

研究者番号
40332340
J-GLOBAL ID
200901093279028968

外部リンク

生命の基本単位である細胞は,「細胞膜」という脂質二重膜で囲まれた構造体である.細胞膜は外界と内部環境を隔離するのみならず,細胞内代謝や自己複製に必要な物質の摂取や不要物の排出,細胞内外の情報のやりとりを行うインターフェイスとして機能している.1972年にSingerとNicolsonにより提唱された生体膜モデルによると,細胞膜は脂質二重層とモザイク状に入り混じったタンパク質により構成されている.これらの細胞膜構成要素は流体としての性質を持ち,細胞膜の中をブラウン運動している.この2次元的なブラウン運動を,側方拡散と呼ぶ.熱力学の第二法則に従えば,自由側方拡散により脂質・タンパク質分子は均一に分布するはずである.
しかし実際の細胞膜では,驚くべきことに膜分子の分布は一様ではなく,高密度で特定の分子が局在する領域が多数存在する.これらの領域は,細胞同士の接着や細胞間の信号伝達など,特定の生体機能を集約した「膜機能ドメイン」と呼ぶことのできる構造である.機能ドメインが壊れてしまうと,細胞はその機能を果たすことができず,場合によっては死んでしまう.実際,脳神経疾患の原因の一つは,「シナプス」という機能ドメインの異常によるものである.従って,自由拡散に逆らって膜分子を自己組織化し機能ドメインを形成・維持する分子機構を解明することができれば,生命の本質を理解すると同時に疾患の治療に対して具体的なターゲット分子を提示することも可能になると考えられる.私は「膜分子1分子のダイナミクスを解析することにより,機能ドメインの形成・維持・制御機構を解明する」という方針で研究を行っている.

委員歴

  3

論文

  27

講演・口頭発表等

  19

共同研究・競争的資金等の研究課題

  8