2021年4月 - 2024年3月
大気化学・元素循環計算による地球型惑星の表層環境進化の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
本申請課題の目的はまず第一に大気化学と元素循環による地球大気・表層水量進化を解明することである.第二の目的は系外ハビタブル惑星の大気・表層水量進化の多様性を理論予想することである.研究計画では,2021年度は大気化学・元素循環結合モデルの構築とその成果をまとめた論文の出版を予定していた.
モデル開発はおおむね予定通り進展している.大気構造モデル・光化学モデル・元素循環モデルを開発し,これらを結合した.特に,従来の研究で考慮されていなかったCOの脱ガスと大気構造への影響をモデルに組み込んだ.計算現状ではH, C, N, Oの4元素を考慮しているが,今後Sにも拡張する.
研究の成果として,地球の窒素循環と大気進化に及ぼす影響を制約した.地球形成直後のマグマオーシャン段階では窒素の大部分が大気に分配され,その後の窒素循環によって大気中の窒素分圧は時間進化する.太古代の地質記録が示す低い大気圧は,表層-マントル間での元素循環の結果と考えられる.現在の地球マントルには大気と同程度の窒素が存在するが,これは初期地球における窒素循環の結果であり,またそれは初期生命による窒素利用の記録である可能性を指摘した.この成果はすでに論文として2022年4月に出版されている.
また,硫黄同位体記録から,約25億年前の大酸化イベント以前の地球大気はCOに富んでいた可能性が指摘されているが,光化学と組み合わせた炭素循環モデル計算の結果,このCO大気の起源を説明可能な新しいメカニズムを発見した.この成果は論文投稿準備中である.
モデル開発はおおむね予定通り進展している.大気構造モデル・光化学モデル・元素循環モデルを開発し,これらを結合した.特に,従来の研究で考慮されていなかったCOの脱ガスと大気構造への影響をモデルに組み込んだ.計算現状ではH, C, N, Oの4元素を考慮しているが,今後Sにも拡張する.
研究の成果として,地球の窒素循環と大気進化に及ぼす影響を制約した.地球形成直後のマグマオーシャン段階では窒素の大部分が大気に分配され,その後の窒素循環によって大気中の窒素分圧は時間進化する.太古代の地質記録が示す低い大気圧は,表層-マントル間での元素循環の結果と考えられる.現在の地球マントルには大気と同程度の窒素が存在するが,これは初期地球における窒素循環の結果であり,またそれは初期生命による窒素利用の記録である可能性を指摘した.この成果はすでに論文として2022年4月に出版されている.
また,硫黄同位体記録から,約25億年前の大酸化イベント以前の地球大気はCOに富んでいた可能性が指摘されているが,光化学と組み合わせた炭素循環モデル計算の結果,このCO大気の起源を説明可能な新しいメカニズムを発見した.この成果は論文投稿準備中である.
- ID情報
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- 課題番号 : 21K13976
- 体系的課題番号 : JP21K13976
この研究課題の成果一覧
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論文
2-
Viva Origino 51(3) 5 2023年12月 査読有り招待有り筆頭著者責任著者