2019年4月 - 2022年3月
腫瘍幹細胞マーカーDCLK1を標的とした、悪性胸膜中皮腫に対する新規治療戦略
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
本研究は腫瘍幹細胞マーカーであるDCLK1の阻害が悪性胸膜中皮腫細胞に抗腫瘍効果を及ぼすことに着目し、悪性胸膜中皮腫において同タンパク質を抑制することによる抗腫瘍効果を検討し、さらに同タンパク質を標的とする薬剤を独自に構築する技術でスクリーニングし、当該疾患に対する新規治療法の確立を目指すものである。悪性胸膜中皮腫細胞株におけるDCLK1アイソフォームの発現パターンは細胞株によって異なっている。一方で正常中皮細胞株ではDCLK1の発現を認めなかった。DCLK1阻害による腫瘍増殖抑制効果は予備実験により明らかとなったが、アイソフォーム選択的に阻害した場合の効果は不明である。令和元年度は、DCLK1のアイソフォームであるshort form, long formを選択的に阻害するようにsiRNAをデザインし抗腫瘍効果を検討した。デザインしたsiRNAはアイソフォームを選択的に阻害していることが確認された。コロニーフォーメーションアッセイにより、siRNAによるDCLK1阻害後の細胞増殖を検討したところ、アイソフォームを同時に阻害することで細胞増殖抑制効果が認められた。この成果をAACR Annual Meeting 2019 (Atlanta, GA, USA) において発表した。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K09286
- 体系的課題番号 : JP19K09286