2018年6月 - 2021年3月
難治性胸部悪性腫瘍の炎症性癌微小環境を標的とした画期的抗体療法
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
腫瘍内にはがん細胞のほか、がん関連線維芽細胞(cancer-associated fibroblast, CAF)に代表されるがん細胞周囲間質細胞が存在している。それぞれの細胞は相互作用により癌微小環境と呼ばれるネットワークを形成し、がん細胞の悪性化や治療抵抗性に重要な役割を果たしていることが明らかとなりつつある。
令和元年度は炎症・肺線維化(線維芽細胞の活性化)・肺がん治療抵抗性に関する検討をin vitro、in vivoモデルを用いて行った。
肺がん手術検体を用いて、CAFおよび正常肺から分離抽出した正常肺由来線維芽細胞(NLF)のペア初代培養細胞を複数樹立し、肺がん細胞と線維芽細胞の共培養モデル作製し、腫瘍微小環境のin vitro再現モデルを構築した。このモデルを用いた検討により、インターロイキン6(IL-6)ファミリー炎症惹起性サイトカインを介したSTAT3経路の活性化が、肺がん細胞の薬剤耐性獲得に関与していることを明らかにした。さらに抗S100中和抗体による線維芽細胞活性の抑制効果を確認した。
さらに、ブレオマイシン吸入による肺線維化マウスモデルの作製プロトコールを確立し、抗S100中和抗体投与による肺線維化抑制効果の検討を行った。その結果、抗S100中和抗体投与により有意な肺線維化抑制効果が得られることを明らかにした。
令和元年度は炎症・肺線維化(線維芽細胞の活性化)・肺がん治療抵抗性に関する検討をin vitro、in vivoモデルを用いて行った。
肺がん手術検体を用いて、CAFおよび正常肺から分離抽出した正常肺由来線維芽細胞(NLF)のペア初代培養細胞を複数樹立し、肺がん細胞と線維芽細胞の共培養モデル作製し、腫瘍微小環境のin vitro再現モデルを構築した。このモデルを用いた検討により、インターロイキン6(IL-6)ファミリー炎症惹起性サイトカインを介したSTAT3経路の活性化が、肺がん細胞の薬剤耐性獲得に関与していることを明らかにした。さらに抗S100中和抗体による線維芽細胞活性の抑制効果を確認した。
さらに、ブレオマイシン吸入による肺線維化マウスモデルの作製プロトコールを確立し、抗S100中和抗体投与による肺線維化抑制効果の検討を行った。その結果、抗S100中和抗体投与により有意な肺線維化抑制効果が得られることを明らかにした。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K19581