共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

第二次世界大戦期における「フランスの伝統」概念の総合的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)
  • 大久保 恭子
  • ,
  • 平田 裕美

課題番号
21K00152
体系的課題番号
JP21K00152
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

令和3(2021)年度は、1937年パリ国際博覧会時の3つの展覧会(「フランス美術の傑作展」「独立派芸術の巨匠たち1895-1937展」「国際独立派芸術の諸起源と展開展」)の比較検討を行うために、1)上記展覧会での展示作品の同定 2)「フランスの伝統」に関わるそれらへの批評の検討 3)両大戦間期最終段階での「伝統」が意味するところを明文化することを課題とした。しかしコロナ禍が続き予定していた海外調査をすべて取りやめざるを得なかったために研究計画の修正を行った。調査の代替手段としてオンラインを用いてBIBLIOTHEQUE NATIONALE DE FRANCE(フランス国立図書館)を中心に、公開されている資料を閲覧し、またGallica で1937-1945年を中心に美術批評を調査し収集を進め、第二次世界大戦期に「フランスの伝統」に関わって影響力を持った批評家たちのマッピング作成に努めた。1)については3つの展覧会のカタログの調査を行うことができた。2)については収集した美術批評の分析を行った。3)については現地のアーカイヴ調査による資料の分析が実施できていないことから、論文化の途上にある。
そこでまず、これまでに収集した資料の分析から、本研究課題の前身となる課題「戦争文化の視点からの第二次世界大戦期のフランス性の理解」が本研究課題に通底する問題であることを確認し論文執筆を行った。現在刊行準備中である。
また「伝統」概念につながる「プリミティヴィズム」に関して、「プリミティヴィズム」と美術史の言説との関わりを分析して、シンポジウム「プリミティヴィズム再考」で口頭発表を行い 「「プリミティヴィズム」の現在―美術史学の方法論をめぐって」を寄稿した。
研究分担者(松井裕美)は、「フランスの伝統」概念とキュビストであるグレーズのキリスト教信仰との結びつきを調査し、論文執筆を行い公刊した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K00152
ID情報
  • 課題番号 : 21K00152
  • 体系的課題番号 : JP21K00152