共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年 - 2020年

多原子陰イオンに着目した錯体型水素化物の水素貯蔵およびイオン伝導機能の向上

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

課題番号
18H01738
体系的課題番号
JP18H01738
担当区分
研究分担者
資金種別
競争的資金

今年度では、固体電解質としてLiBH4を用いて、約40nmの均一な厚さを有するBiナノシート(Bi-NS)をアノードにして、対極としてLi金属を用いた全固体電池特性を詳しく評価解析した。作製された全固体電池において、0.01~3.0 Vの電位範囲で、250 mA/gの電流密度で、Bi-NS電極の初回放電-充電電圧プロファイルから、約519 mAh/gの放電容量と562 mAh/gの充電容量を得た。理論放電容量よりやや大きい値が得られたことは、2.5~3.0Vの電位窓でLiBH4電解質の部分分解に起因すると考えられる。この影響を避けるべく、カットオフ電圧を3.0Vから2.0Vに調整した。初回の放電曲線から、約0.78と0.72 Vで、LiBiとLi3Bi合金のそれぞれの形成に起因する2つのプラトーが観察された。また、それぞれ約603と503 mAh/gの高い放電容量と充電容量が得られ、初期クーロン効率は80%であることがわかった。この高いクーロン効率は、Bi-NSとLiBH4の間に安定した界面の形成に起因すると考えられる。約0.75 Vの放電プラトーと約0.85 Vの充電プラトーは、可逆的なLi-Bi合金化/脱合金化反応に起因すると考えられる。0.01~2.0 Vの電圧範囲内でのBi-NSアノードのCV曲線から、初回サイクルにおいて、LiBiとLi3Bi合金の形成に起因するピークがそれぞれ約0.80Vと0.70Vで観察された。また、脱合金化に関して、約0.85 Vの電位で1つのピークしか観察されないことから、非常に近い電位範囲でLiBiとLi3Bi合金の超高速酸化反応が進行したと示唆される。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H01738
ID情報
  • 課題番号 : 18H01738
  • 体系的課題番号 : JP18H01738