共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2021年3月

製品特性の内生的選択と貿易政策に関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
17K03706
体系的課題番号
JP17K03706
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

研究年度3年目にあたる本年度は、昨年度に実施した研究をまとめつつ、関連研究をさらに進め、国際学会等で報告を行った。
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研究代表者は、自由貿易協定(FTA)や関税同盟(CU)の締結による域内国の域外関税の設定と企業の製品差別化戦略との関係を論じた理論分析をさらに進めた。また、関連研究として、関税引下げとアンチダンピング措置発動の関係について理論的に考察を行った。財の輸入国の関税引下げがその国のアンチダンピング措置発動のインセンティブを高めるか否かはダンピングの理由に依存し、特に市場規模の差による第三者価格差別がダンピングの主要因である場合には、関税引下げはアンチダンピング措置の誘因を高めること、一方で不完全な関税パススルーや輸入国市場での競争が激しいことがダンピングの理由である場合には、関税引下げが逆にアンチダンピング措置の誘因を低下させることが示された。関税引下げとアンチダンピング措置の関係については、実証的には多く論じられてきたが、理論的な側面から両者の関係を詳細に論じた研究はこれまでなく、学術的な貢献度とともに政策含意が大きい。本論文は年度内に査読付き学術誌に投稿し、審査に上改訂要求を受けている。さらに、途上国において特定の財の最初の輸出者(Export Pioneer)が最初の生産者(Production Pioneer)であるかについて、理論を構築しインドネシアのデータを用いて実証分析をした。最初の生産者が最初の輸出者に必ずしもなるわけではなく、海外経験や競争効果など、様々な条件に左右されることが明らかにされた。研究成果は国際学会で報告され、査読付き学術誌に投稿されている。
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研究分担者は、不完全競争下における国際的な技術ライセンシングのモデルを用いて,政府が,自国企業に海外企業からの技術ライセンスを「受けさせない」ように貿易政策の水準を設定する可能性を示した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K03706
ID情報
  • 課題番号 : 17K03706
  • 体系的課題番号 : JP17K03706