共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年6月 - 2021年3月

プロトン駆動力による細胞内代謝制御

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
16H06559
配分額
(総額)
104,650,000円
(直接経費)
80,500,000円
(間接経費)
24,150,000円

食糧やエネルギー問題を解決するため、植物や藻類の「光合成の改良」は重要な課題である。現存の光合成生物は進化を遂げた局所環境に適応してプロトン駆動力によって「光エネルギーの効率的利用」と「過剰光からの防御」のバランスを調節している。本研究では、ゲノムスケール代謝モデル(GMM)の開発と光合成のシステム解析を行い、光合成をシステムとして統合理解することを目的とする。本計画班では、シアノバクテリアを実験材料に用い、光合成の素反応因子、環境に対する制御因子および光合成のメカニズム解明の成果を統合理解するシステムを開発し、光合成のシステム再最適化のための戦略立案を行うことを目的とする。また、各研究班の成果を盛り込んで光合成をシステムとして理解する道筋を明らかにする。
本年度は、昨年度までに基本設計をしたシアノバクテリアSynechocystis sp. PCC6803野生株(GT)株の光合成および主要な代謝反応の情報を含み細胞全体を表現するゲノムスケールモデル(GMM)を各波長の光に対する光化学系における電子伝達が予測できるモデルとして発展させた。本モデルは、暗反応と明反応を細胞全体で統一的に解析が可能なモデルとして構築した。様々な光環境における光合成電子伝達と代謝の反応を関係について解析した。細胞のクロロフィルによる吸光を測定し各波長の光の吸光を測定することで、光化学系の機能をモデルに反映することを試みた。
また、タンパク質、代謝の様態を統合的に解析し、光合成と光合成以外の細胞機能の相関関係を明らかにすることで光の強さに応答して変化する光合成のシステム的理解を深めることを目的としており定量プロテオーム解析、定量メタボローム解析の実験データを得た。

ID情報
  • 課題番号 : 16H06559