Research Projects

2001 - 2002

アノマー効果を利用する立体選択的ラジカルC-グリコシル化とIP3リガンドの創製

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

Grant number
01J10599
Japan Grant Number (JGN)
JP01J10599
Grant amount
(Total)
2,400,000 Japanese Yen
(Direct funding)
2,400,000 Japanese Yen

C-グリコシドは対応するO-グリコシドの生物学的安定等価体として機能することから注目されている。そのため、C-グリコシドの立体選択的構築法の開発が望まれている。筆者らは、^4C_1型あるいは^1C_4型配座に制御されたピラノース基質を用いたラジカルC-グリコシル化反応がαおよびβ高立体選択的にC-グリコシル体を与えることを発見した。これは、従来認識されていなかったラジカル反応における速度論的アノマー効果を立体選択制発現に積極的に利用した初めての例となった(J.Am.Chem. Soc.2001,123,11870-11882)。
今回、さらに、このピラノース配座制御によるアノマー効果に基づく立体制御法をオキソカルベニウムイオン中間体をへるS_N1型C-グリコシル化反応に適用し検討した。^4C_1型あるいは^1C_4型に配座制御されアノマー位に脱離基としてフッ素を有するキシロシル糖基質をアリルトリメチルシランおよびBF_3/Et_2O存在下撹拌したところ、^4C_1型基質はα高選択的(85%,α/β=50:1)に、^1C_4型基質はβ高選択的(73%,βonly)にアリルC-グリコシド体を与えた(Angew.Chem.Int.Ed.2003,in press)。
この結果から、本C-グリコシル化反応立体制御法がラジカル反応のみでなくカチオン中間体を経るS_N1型反応にも適用可能であることが確認できた。このことは、高立体選択的C-グリコシル化が種々の反応条件で可能になることを意味し、他の様々なC-グリコシド型化合物合成への応用が期待できる。

Link information
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-01J10599
ID information
  • Grant number : 01J10599
  • Japan Grant Number (JGN) : JP01J10599