共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2018年3月

中学校理科における科学的推論の育成に関する研究 ―モデルベース推論を基盤として―

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
  • 雲財 寛

課題番号
16J02230
配分額
(総額)
900,000円
(直接経費)
900,000円
(間接経費)
0円

中学校理科において,モデルベース推論(科学的モデルを用いて,現象の説明や予測を行う推論)に関わる要因を明らかにすることを目的として,「Ⅰ.中学校理科の学習内容に対応したモデルベース推論の枠組みの最適化」,「Ⅱ.モデルベース推論の成否に関わる要因の特定」の2つのステップで研究を行った。
【「Ⅰ.中学校理科の学習内容に対応したモデルベース推論の枠組みの最適化」について】
中学校理科の学習内容に対応したモデルベース推論の枠組みの最適化を行うため,中学校理科の教科書に記載されているモデルを抽出した。抽出した結果,物理領域や化学領域においては,理論や法則(例えば,力学概念,粒子概念など)を説明するモデルが多いこと,生物領域や地学領域においては,自然の事物・現象の機能や構造を説明するモデルが多いことが明らかになった。また,中学校理科の教科書に記載されているモデルの多くは,Harrison & Treagust(2000)が示したモデルの類型の中の「記号的・象徴的モデル」,「数学的モデル」,「理論的モデル」に分類することができることも明らかになった。
【「Ⅱ.中学校におけるモデルベース推論の成否に関わる要因の特定」について】
公立中学校第3学年の生徒を対象に,調査的面接を中心とした調査を実施した。その結果,「どのような場面で用いることができるのか」といった「モデルの対応づけ」に関する理解(例えば,「化学反応式は化学反応を説明・予測する場面で有効である」といった理解)や,「そのモデルにはどのような規則があるのか」といった「モデルの規則」に関する理解(例えば,「化学反応式の左辺と右辺で原子の種類と数は同じである」といった理解)が,モデルベース推論を促進していることが明らかになった。