共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

プレシナプスにおけるアルツハイマー病発症の分子機序解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)
  • 渡部 博貴

課題番号
17K08668
配分額
(総額)
4,680,000円
(直接経費)
3,600,000円
(間接経費)
1,080,000円

2018度は研究計画に使用しうるマテリアルの作製をほぼ完了した。ヒトiPS由来の神経細胞でのPS1の生理的機能を解析する目的において、PS1 KO iPS細胞は必須となるが、PS1は神経幹細胞の維持に必須であることから、PS1 KO iPS細胞からの神経細胞への分化過程は異常となっている可能性がある。したがって、ゲノム編集技術を用いて、conditional KO(cKO)iPS細胞を樹立する。ターゲティングベクターとPS1を標的とするsingle-guide RNA/ Cas9発現ベクターを健常人由来iPS細胞へ導入し、相同組み換えの起こっているクローンをスクリーニングした。数十クローン解析したところ、ホモ接合体を示す3クローンを得た。
KO iPS細胞から神経前駆細胞へ誘導した後に、前駆細胞のマーカーでもあるNotchシグナル経路を検討した結果、PS1の欠損自体では有意に変化している結果は得られず、他の因子によって補填されている可能性が示唆された。
次に、iPS細胞から大脳皮質神経細胞へ分化誘導し、効率よくヒト大脳皮質神経細胞を供給する実験系を確立した。PSに変異のある複数のiPS細胞からヒト大脳皮質神経細胞を分化誘導させ、蛋白解析やRNA解析などに使用するサンプルを調製した。申請者が見い出していたPS遺伝子改変マウスで変化のある蛋白質に対する抗体等を入手し、免疫細胞化学やウェスタン解析などに使用できうるかを検討した。さらに、ADに特徴的な病理所見である老人斑を構成するAβについて、ELISA評価系を確立し、健常人iPS神経細胞に比べ、PS変異iPS神経細胞ではAβ42/Aβ40比の有意な上昇を認めている。