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査読有り
2003年7月

眼屈折状態が輝度-瞳孔径関係に与える影響

電子情報通信学会論文誌D-II
  • 堺浩之
  • ,
  • 観音隆幸
  • ,
  • 平田豊
  • ,
  • 臼井支朗

86
7
開始ページ
1123
終了ページ
1130
記述言語
日本語
掲載種別
記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)
出版者・発行元
社団法人電子情報通信学会

視覚における瞳孔の主機能は,各輝度で最大の視力が得られる径を選択することにあると考えられている.ところが,そうした輝度と瞳孔径の関係が,進化の過程で獲得された生得的なものか,あるいは生後の視環境によって適応的に獲得されるものかは不明である.本論文は,眼屈折状態が瞳孔径に与える影響を調べ,輝度-瞳孔径関係が適応的に獲得されていることを明らかにする.実験では,20名の被験者に対し,眼光学系の波面収差並びに輝度-瞳孔径関係を計測した.眼屈折状態は,屈折矯正の効果を考慮した波面収差のRMS値を計量として定量化した.その結果,暗順応時を除くすべての輝度で,眼屈折状態が劣化している被験者ほど縮瞳傾向にあることが示された.更に,眼鏡の再処方により眼屈折状態が改善した被験者について,矯正度数の変更から2,4及び8週間後にも輝度-瞳孔径関係を計測したところ,徐々に散瞳する傾向がとらえられた.これらの結果は,互いに矛盾することなく,輝度-瞳孔径関係が視力の最大化を目的として適応的に獲得されていることを示唆する.

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/110003202636
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA11340957
ID情報
  • ISSN : 0915-1923
  • CiNii Articles ID : 110003202636
  • CiNii Books ID : AA11340957

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