共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

リスクアセスメントとオーラルリテラシーを向上する誤嚥性肺炎の危険予知システム開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
19H03958
配分額
(総額)
17,420,000円
(直接経費)
13,400,000円
(間接経費)
4,020,000円
資金種別
競争的資金

地域包括ケアシステムの確立が推進される中で、在宅高齢者の身体状態の変化を察知するリスクアセスメントが重要となっている。本研究の目的は、これから の医療の中心を担う看護師が、高齢者の協力度に関係なく、誤嚥性肺炎のリスクの進行を予知できる科学的評価システムを開発することである。これまで、看護 師が経験の中で見抜いていたリスク評価に、科学的かつ客観的パラメータを追加することで、在宅介護のエビデンスの裏付けが可能となる。これまでのバイオフィルム研究の成果を基に、誤嚥性肺炎のリスク上昇を唾液中の細菌検査と口腔細菌の血清抗体価検査から予知する手法の開発に取り組む。 さらに、嚥下機能の 低下をビジュアル化するウェアラブル嚥下機能評価機器を開発する。科学的手法を用いた“健康状態の見える化”により、看護師のリスクアセスメント力の強化 とオーラルリテラシーの向上が期待できる。
今年度は、コロナウイルス感染症の感染拡大のため、解析対象となる肺炎患者の血清抗体の採取が困難であったため、バイオバンクの協力を得て、健常者40検体、誤嚥性肺炎患者29検体の分譲を受けた。
新潟大学医歯学総合病院呼吸器内科に肺炎のため入院した29名の患者を対象に、治療上必要な血液検査を行うタイミングで残余検体(血漿、血清、全血)を回収した。国内外で販売されているCRP迅速診断キットを用いてCRP値(定性)を測定し、定量値との相関性を解析した。その結果、すべてのキットが90%以上の高い相関性を示したが、Actim CRPは1-4, 4-8, >8mg/dlの3段階判定において、98%の高い相関性を示した。しかし、これらの迅速診断キットは、簡便性(操作の手順)と判定方法に課題があり、在宅で応用す るには難がある。現在、企業と共同で、独自のCRP迅速診断キットの開発を行っている。
また、血清中の口腔細菌の抗体価測定を開始した。

ID情報
  • 課題番号 : 19H03958